『
ジュラシック・ワールド/炎の王国』
『ジュラシック・ワールド』の続編。
前作は前の『ジュラシック・パーク』シリーズから引用された演出を素直に楽しめたが、本作は3部作の真ん中の難しさを感じる。
この辺は『スター・ウォーズ』シリーズのep7とep8の関係にも近い気がした。
人間の手によって実験室で生まれた恐竜たちの命は、生み出した人間のものなのか、それとも恐竜自身のものなのか。
クローン技術で生まれた羊のドリー問題が頭をよぎる。
テーマパーク“ジュラシック・ワールド”のあるイスラ・ヌブラル島の火山噴火によって生命の危機が迫る恐竜たちを救うべきか否かという倫理観と相も変わらない強欲な人間の闇ビジネスが並行して描かれる。
『永遠のこどもたち』のA・J・バヨナ監督がメガホンを取った本作。
シリーズのテーストを守りながらもゴシックホラー色を感じさせる点にバヨナらしさが漂う。
しかし、これまでの“怖さ”と種類が変わってきているのではないか。
概ね前作のキャラクター(恐竜含め)が登場する割に、シリーズとしては一線を越えてしまった気がしてならない。
(オーウェンとブルーの物語としては期待値を下回る。)
次回、どうやってまとめ上げるのかが気がかり。
脚本的には疑問はあっても、相変わらずVFXは見事。
哀れな恐竜たちには共感できよう。
ログインしてコメントを確認・投稿する