mixiユーザー(id:11939455)

2018年06月17日02:12

139 view

『30年後の同窓会』

30年後の同窓会

 『さらば冬のかもめ』などで知られるダリル・ポニックサンの小説を基にしたというリチャード・リンクレーターのロードムービー。
30年という時を経て再会した男たちの友情物語でもあるが、根底に流れるのはアメリカという国と戦争の密着度。

 『6才のボクが、大人になるまで。』や『ビフォー〜』シリーズ同様にリンクレーター監督は時間経過をドラマに落とし込むのが上手い。
他にもハンディカメラ撮影の<歩きながら話すシーン>もリンクレーター映画ではお馴染み。

 ベトナム戦争で仲間だった3人がイラク戦争で戦死した“ドク”(スティーヴ・カレル)の息子を引き取って故郷に送り届ける旅程をつぶさに描く。
大本営発表ではないが、米国軍の表向きの嘘は軍隊と庶民感覚とのズレを感じる。
ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争と近年のアメリカはなぜこれらの戦争を起こしたのか。
何のために若者が戦地へ送り込まれたのか。
旧交を温めながら笑いをたっぷりとまぶした会話劇に静かな感動がジワリとわく。

 何といってもベテラン俳優三人のアンサンブルが見どころだろう。
3週間もリハーサルを重ねただけあり息が合っていて、時折光る台詞も散見される。
失意のどん底にいる“ドク”に友人としてアドバイスする友人二人が<天使と悪魔>のような(笑)両極端になっているのが立体的で面白い。
元衛生兵の傷を癒すというのも皮肉である。
人生経験を経て、大人になったサル(ブライアン・クラストン)が現役の大佐と言い合うあたりも興味深い。

5 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年06月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近の日記

もっと見る