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2017年12月24日23:24

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漫画之雑談帖(その1)―天国ニョーボ第4巻:須賀原洋行

還暦を迎えた、立派なぢぢいの癖に、わたくしは漫画が好きでありまして。尤も漫画雑誌を購入する事はなく、お気に入りの連載物が単行本に纏まった時に買う、というのが通例。
わたくしはこの須賀原氏の漫画が割に好きで、最初の連載(であったと思いますが)の『気分は形而上』からずっと読んで居ります。先年、同氏の漫画でも不動の登場人物であった奥様を脳腫瘍で亡くされた事は知って居りましたが、その闘病記でもある『天国ニョーボ』が第4巻で完結したので、感想を少々。

この作品は、某ビッグコミックスペリオールで連載されていたのですが、最後の所は紙ベースでの掲載が終わって仕舞って、電子版のみの連載となり、電子版で漫画雑誌を読む習慣のないわたくしは何時完結したか、も正確な時期は知りませんで。確か前巻の予告で、最終巻は秋口に発売とあったのでありますが、あれこれに取り紛れてつい確認を怠って仕舞い、既に発売されている事を知って慌てて買いに行った次第。

結末は既に分かっているので、ハッピー・エンドになり得ない訳でありますが、それでも乳癌が脳に転移し、次第に病状が重くなりつつある中、治療の効果も望めなくなり、余命宣告を受けてというくだりは胸が締め付けられる様な思いが。医療サイドとの葛藤や軋轢、更に病状が重くなり身体の自由は言葉も失われて行き、ついにその時を迎えて、という流れは、矢張り重いものがありました。

それでも漫画家という職業柄―と言っては失礼かも知れませんが―在宅看護で看取る事が出来たのは、せめてもの慰めかとも。殆どの場合は、入院先の病室か、或いは終末医療の現場であるホスピスで、でありますからね。
こういう鑑賞の仕方は、作者には失礼かも知れませんが、浮腫みが出た時のマッサージの仕方や、車椅子からベッドへの移動方法、と云った点はある意味参考になりました。

何等かの形で、何れは身内の者(主として親、というケースが多いのが世の常でありますが)の最期を看取るのは浮世の定めではありますが、中々重い問題でありますね。改めてそんな事を思い出させてくれた漫画でありました。






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