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2017年12月10日20:53

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点鬼簿之雑談帖(その99)―クリスティン・キーラーの訃報

師走になりまして、直近では野村沙知代氏の訃報が伝えられたりしましたが、わたくしはこの婆様が大嫌いでありまして。不倫はぶっこくわ―まあこれは、相手の野村元監督にも落ち度がありましょうが―学歴詐称はやらかすわ、公私混同をやらかして旦那は監督を辞めざるを得なくなるわで、人間性を疑いたくなる御仁でありました。

一方、少し前に訃報の伝えられた、クリスティン・キーラーも、所謂元売春婦でありましたから、余り好感は持てないのでありますが、それでも歴史的スキャンダルの立役者でありましたからねえ。実はもう一つ、理由がありますがそれは後程。

<引用開始>

クリスティーン・キーラーさん死去=冷戦期「プロヒューモ事件」の女性

クリスティーン・キーラーさん(1960年代の冷戦期を象徴するスパイ事件「プロヒューモ事件」の当事者の女性)4日死去、75歳。息子が5日、フェイスブックを通じ「ここ数年、慢性的な肺疾患を患っていたが、戦いに敗れ、昨夜遅く亡くなった」と明らかにした。

60年代初め、マクミラン英保守党政権の陸相だったジョン・プロヒューモ氏と性的関係を持つ一方、在英ソ連大使館の武官とも関係を持ち、機密流出疑惑が報じられる中、プロヒューモ氏は責任を取って辞任。「プロヒューモ事件」として一大スキャンダルとなり、保守党は64年の選挙で労働党に大敗した。 渦中にあってもキーラーさんはマスコミの取材に応じていたが、晩年は名前を変えて暮らしていたという。息子は「英国史に母は名を刻むことになったが、母の人生を誇りに思う」と書き込んだ。89年にはこの事実を基にした映画「スキャンダル」が制作されている。

<引用終了>

出典Web:https://www.jiji.com/jc/article?k=2017120600627

かなり後年になりまして、キーラーはプロヒューモーからピロー・トークで聞き出した、国家機密に属する事象をソ連駐在武官にも語っていた事を認めたりしましたが、今風のハニー・トラップの元祖の様なものであったのかどうか。政治家としては失脚したプロヒューモー氏でありますが、その後は社会福祉事業に力を注ぎ、後にエリザベス女王から勲章も授かったそうですから、まあ名誉回復は成し遂げられたかと。

さて、このキーラーの全盛時代に、取られた一枚の写真がありまして。当時有名は写真家のルイス・モーリーという人が撮影したものだそうです(張り付けた写真がそれ)。
わたくしが嘗て倫敦の地の駐在員稼業をしていた頃、ナショナル・ポートレート・ギャラリーに出掛けた事があります。英国史は綺羅星の如く、世界の歴史に名を遺す人物が目白押しでありまして、王様・女王様の肖像画、諸々の歴史上の人物の肖像画が此処に飾られて居ります。
で、時代の古い順から眺めていって、20世紀の人物の展示のある部屋に行った所、この写真がドーンと飾られて居りまして、流石に魂消ましたね。
芸術写真、という意味合いなのか、良いにせよ悪いにせよ、世間をあっと驚かせた人物の写真、という事なのか。いずれにせよ、何も売春婦の写真を国立の美術館に飾らなくてもなあ、と思ったものです。

一大スキャンダルの中心人物として、後半生も穏やかなものではなかった様ですが、ともあれ故人の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。

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