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2017年09月22日23:51

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新譜之雑談帖(その424)―ウィルヘルム・ケンプ ベートヴェン・ピアノ・ソナタ集(4CD)

わたくしの如き、還暦リーチのぢぢいがクラシック音楽を聴き始めた当時(高校生の頃、でしたが)ベートヴェンのピアノ演奏と言えば、バックハウスかケンプの演奏が筆頭に挙げられていたものでした。故宇野功芳氏はバックハウスを推して居りましたので、わたくしも最初はバックハウスの演奏を聴いたのでありますが、どうもバックハウスの演奏には違和感を感じて仕舞うのでありまして。少なくとも世間の人が褒める程には、バックハウスの演奏に感心しないのでありますね。

一方、ケンプの演奏はそれほど聴き込んでいる訳ではありませんが、バックハウスの演奏程、違和感が先に立つ、という事もなく。現在でもDGからはステレオ、モノラルのケンプによる、ベートーヴェンのピアノソナタ全集が入手可能の様で。先年は日本での全曲演奏会の録音も公にされ、ケンプのベートーヴェン演奏を好む愛好家は未だ多いのではないか、と思います。

ケンプは戦前から、ベートーヴェン弾きとして知られたピアニストでありましたが、先だっての協奏曲集・後期ピアノ・ソナタ集(何れも戦前のSP録音の復刻盤)に続き、戦時中のピアノ・ソナタ16曲の演奏の復刻盤が、同じAprというレーベルから発売される、との告知が。ほほう。

SP時代にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を完成させたのは、これもベートーヴェン弾きとして有名だったシュナーベルだけではなかったか、と思います。ケンプにしましてもバックハウスにしましても、今日入手できる録音は戦後のものが殆ど、であり戦前のSP時代、或いは戦中の録音は入手が難しかったのでありますが、そんな状況下、今回の戦時録音の発売はケンプのファンにとっては朗報、でありましょうね。

わたくし自身も、若かりし頃のケンプのベートーヴェン演奏がどの様なものであったか、聴いてみたい気はしますが、そうそうホイホイ買い込んでいては、未聴盤の山が堆くなるばかりなので、横目で眺めつつ未聴盤を減らす事に勤しんだ方が賢明でありましょうね。
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