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2017年09月20日23:49

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経済之雑談帖(その20)―米国トイザラスの倒産

日本のトイザラスに直接的影響はない、との事ですが、米国のトイザラスが日本でいう会社更生法を申請して、倒産をしたそうです。その昔、それこそ黒船来襲の如く日本に進出してきて、破竹の勢いで店舗を拡大していった頃をリアル・タイムで知っているものとしましては、「時ハ変改ス。一栄一落是春秋」であるますねえ。

<引用開始>

専門店の強み、ネットが侵食 米トイザラス破産申請 不採算店閉鎖を検討

米玩具販売大手のトイザラスが19日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請に追い込まれた。大型店ならではの品ぞろえや安さを武器に一時代を築いたが、アマゾン・ドット・コムをはじめとするインターネット通販の攻勢で消費者を奪われた。伝統的な書店などだけでなく、対面販売が重要だった分野にまでネットの影響が及んできた。

トイザラスは玩具の大型専門店の先駆けで、メーカーから製品を直接仕入れ大量に販売する手法で事業を拡大。米国で800店舗以上を展開し海外でも38カ国に進出したが、ネット勢の台頭で業績悪化が続いていた。トイザラスのデイブ・ブランドン最高経営責任者(CEO)は同日、「小売業界を取り巻く環境が激しく変化する中で、競争力を高めたい」とコメントした。店舗は「通常通り営業を続ける」とするが、米メディアは不採算店舗の閉鎖を検討していると報じた。

アマゾンなどネット勢の攻勢はまず書籍から始まった。ネット配信する電子書籍も普及すると、街中の書店の閉鎖が相次いだ。その後、ネット通販で取扱品目が増えると家電や衣料品まで影響が拡大。今年に入り米国の家電量販大手ラジオシャックが破綻し、米ギャップは3年間で約200店の閉鎖を決めた。玩具は親が子供と一緒に店頭で選ぶような楽しみがあった。だが徐々にネットに取って代わられる場面が増え、トイザラスを追い込んだ。アマゾンは高級スーパーを買収し、小売業の最後のとりでとされる生鮮食品の分野にも進出し始めた。

トイザラスは日本国内でも約160店を運営している。今回の破産法の対象は米国とカナダのみで「日本の事業に直接の影響はない」(日本トイザらス)。トイザラスが日本の玩具市場に与えてきた影響は大きい。1980年代末に日本の大規模小売店の出店規制に異議を唱えた。91年には日本に初出店し、その後、玩具の価格を大きく引き下げてきたとされる。ただ店舗数はここ数年横ばいで、2017年1月期の業績は売上高が約1405億円、営業利益は約33億円。10年の上場廃止後、店舗の入れ替えなどで黒字を確保しているが、前の期と比べ減収減益だ。

ベビー用品店「ベビーザらス」を併設し、乳幼児から小学生向けまで幅広く商品をそろえるなど店作りを工夫する。だが遊びがスマートフォンのゲームなどに移行し、少子化も進む。乳幼児向けおむつなどもネット通販に顧客を奪われつつある。米国から始まったネット通販の台頭は日本にも確実に及んでいる。経済産業省によると「生活家電・パソコン」や「書籍、映像・音楽ソフト」などで2〜3割程度がすでにネット経由の購入だ。ネットの浸透が進む中各社は対策に乗り出した。ヨドバシカメラは自社のネット通販で注文から最短2時間半で宅配するサービスを一部で開始した。セブン&アイ・ホールディングスとアスクルは生鮮食品のネット販売で提携を決めた。

大型専門店は大量一括仕入れによる低価格が強みだったが、今このメリットを最大限に提供するのはネット勢だ。リアルの店舗が一定の存在感を維持するには、対面販売などの強みを生かしながらネットにも対応できる両面作戦が必要だ。

<引用終了>

出典Web:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170920&ng=DGKKZO21301940Z10C17A9TI1000

米国は日本と異なり、国土が広いので、シアーズの様に通信販売が何十年も前から広く普及している国でありまして。当然の事ながら、通信手段(新しかろうが古かろうが)による、無店舗経営というものには一日の長が―小売業者と雖も―ある筈、と思っていたので、今回の倒産の報道はわたくしにとりまして、大きな驚きでありました。

昔々、名古屋に居た頃、ちょうど子供が色々な玩具を欲しがる年齢となり、近所にトイザラスの店舗があったので(今調べてみると、現在は閉店して仕舞った様です)、出掛けてみてその品揃えの豊富さに腰を抜かしたものです。ううむ、これは凄い。街の小さな玩具屋さんは、これでは一溜まりもないなあ、と思ったものでしたが、時代は更に進んで、大規模店舗の運営だけでは利益の確保が困難になりつつあるのですねえ。ううむ、わたくしなぞは全くの時代錯誤・因循姑息の権化の様な旧式の塊的人間ですので、インターネットでの取引が、実態の取引を脅かす様になりつつある、というのは理解に苦しむのですが、それが時代の趨勢なのでしょうねえ。


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