日本では、食用油(天婦羅油やサラダ油等)を、そのまま台所の流しに流す人は―最近の若い人ですと分かりませんが―余りいないのではないか、と思います。「固めるテンプル」という、食用油を固めて廃棄する為の薬剤もありますし、わたくしの母親なぞは新聞紙に沁み込ませて、捨てておりましたね。
海外ではどうもその辺は無頓着な様で、テンプルの様な薬剤も見た事はありませんでした。恐らく、そのまま流しに流しているのではないか、と思いますがそれを裏付ける様な厄災が。
<引用開始>
閲覧注意!下水道に氷山くらい巨大な油脂 洪水の危険 ロンドン地下で発見
英国ロンドン東部のテムズ川近くの下水道で、ヴィクトリア時代に作られた下水管に、130トンもの巨大な油脂の塊がこびりついているのが見つかった。大きさは、豪華客船タイタニック号が衝突した氷山の2倍を上回り、長さはサッカー競技場の2倍に当たるという「モンスター級のゴミ」だ。英国最大の水道供給処理企業テムズ・ウォーターによると、この巨大な油脂の塊が見つかったのは、ロンドンの金融街シティの東にあるホワイトチャペル地区で、19世紀のヴィクトリア時代に作られた下水道だ。
CCTVカメラを使って遠隔操作で下水管の中を調べたところ、130トン以上の油脂が250メートルの区間にわたって下水管をふさいでいる事実が判明。テムズ・ウォーター社は声明で、家庭から流された排水に含まれた油分だけでなく、使用済みのオムツや生理用品、ウェットティッシュなどありとあらゆるゴミが混ざって固まっているとして、すべてを取り除くには、作業員8人がかりで高圧洗浄機を使ってしばらくかかると述べた。同社では週7日間、毎日20〜30トンのゴミを除去しているが、今回発見された油脂の塊は、2013年にキングストンで見つかったものより10倍以上大きく、放置したままだと近いうちにも汚水が溢れて洪水が発生するおそれがあるという。
<引用終了>
出典Web:
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/1/21917.html
この記事を読んで、その昔団地暮らしをしていた頃を悪夢を思い出しました。わたくしの家族は、とある団地の一階に住んで居りました。ある年の大晦日、突如のして台所の流しの水が流れなくなりまして。この団地、高度経済成長時代に作られた骨董品(尤もこの事件が起きたのは、今から40年前。今は当時の建物は取り壊されて、跡形もありませんが)で、各階の台所の流しの水は、一階の床下を通って下水に繋がっている、という恐ろしい代物。これまでも夜中に突如「ゲベガバゴボガボ」と、気持ちの悪い音が聞こえてくる事がしょっちゅう。
色々調べて対策を練ってもらったものの、構造上の問題なのでどうしようもなく(何か圧力の加減で、音が出るらしい、という事は解りましたが)、とりあえず排気塔の様なものを拵えて、音の出る頻度を下げたのではありますが。
所がこの一階の床下部分を通る配管―これがまた、細い管でありまして―が前述の大晦日、遂に台所で流れる油や生塵の残骸、髪の毛等が詰まって、一階の我が家の台所に各家庭の台所排水が逆流する事態に。
大晦日、という事で今でいうクラシアン的な水回りの業者も、団地の管理事務所もみな正月休み。それでも無理を言って、近所に住んでいた管理事務所の職員さん―これは対策をあれこれ練って貰った人だったので、無理がある程度利いたのでありますね―を拝み倒して、下水管掃除用のワイヤーを持ってきて貰って、父親・母親が悪戦苦闘する事数時間。どうにか水が流れる様になった時には、二人が楽しみにしていた紅白歌合戦(昭和の時代ですから)も終わって仕舞って、行く年来る年の放送が始まる時間。
後々迄、「あの年の大晦日はひどい目にあった」とぼやいておりましたが、むべなるかな。その後の度々この逆流現象は起こって、随分悩まされたものでありますが、今回のロンドンのそれは、そううんと大規模なもの、なのでありましょうね。報道されてはいませんが、恐らく悪臭芬々たる代物である事は容易に想像が付く訳で。
職員の方々(海の遥か彼方の出来事ですが)の悪戦苦闘ぶりに、頭の下がる思いであります。
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