『ナインイレヴン 運命を分けた日』

　過去鑑賞分が滞っているけど、今日は「この日」なので…。

『ナインイレヴン 運命を分けた日』

　忘れもしない2001年の9月11日、世界が大きく変わった日。

　ワールドトレードセンターに航空機が突入して、ビル倒壊という大惨劇に至った。
テロという言葉がより身近になった日でもあるし、今日の人種や宗教による分断が高まった日でもある。

　その後、山のようにこの日の出来事を題材にした映画やドラマが作られたが16年たって新たに映画が製作された。
まずはこれまでさんざん語られてきた作品との違いが気になるところだ。
本作ではワールドトレードセンタービルのエレベーターに閉じ込められた一グループに焦点を当てている。

　そこに集まる人々は性別、年齢、人種、社会的地位などがバラバラで中にはこれから離婚しようと対立している夫婦もいる。
立場が違っても平等に危機は訪れているし、団結が必要不可欠なのも分かりやすいメッセージ。
9.11の記憶が薄れてきた今だからこそ思い出して欲しいとニューヨークを愛する映画人が立ち上がったそうだ。
チャーリー・シーン、ウーピー・ゴールドバーグとよく知る俳優たちの参加は見るものに身近に感じさせるだろう。（もうちょっとハナが欲しいが…）

　映画の大半を密室劇のように演出して見せたのは、大きな国家の対立よりも個々の人物に光をあてることで身近にしようという計らいだろう。
それなりに出来ているとは思うが、正直「今更感」も漂う。
＜あの日＞の出来事は忘れてはならないだろうが、本作はすぐ忘れてもよさそう…。（苦笑）