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2017年09月11日00:43

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新譜之雑談帖(その419)―パウル・パドゥラ・スコダの録音集成

わたくしは(以前にも記しましたが)、ピアニストについては暗い方でありまして。それでもパドゥラ・スコダというピアニストがデームス、グルダと並んでウィーン三羽烏として、1950年代に鮮烈なデビューを果たした、くらいの事は知識として持って居ります。フルトヴェングラーとの共演の音盤もあるピアニストでありますが、驚いた事に(と申しますと、パドゥラ・スコダには失礼な物言い、であるのは承知して居りますが)未だ現役で今年はまた来日が予定されているとか。

そんな彼の卒寿を記念して、過去の録音を纏めたボックスがDGとソニー・クラシカルから発売される、との告知が。ううむ。しかし、確かウエストミンスターに、モノラル録音は随分残していたと記憶しているけれど、その後ピアノ・フォルテの演奏に嵌って(或いは目覚めて)、余りこれといって録音はなかったと思ったがなあ。と思ったら、DGは同じく三羽烏の一人、イエルク・デームスとのシューベルトの連弾曲の録音の他は、この旧ウエストミンスターへの録音を纏めたものだ、との事。ふうむ。

一方ソニー・クラシカルの方は、1966年〜1971年に、旧RCAへ録音したシューベルトのピアノ・ソナタ全集を復刻したものだそうで。なんでも初復刻になるそうで、某親方之声サイトの広告では、既に発売終了、との表示が。輸入盤でかつ限定盤、との事なので、恐らくは入荷予定量いっぱいの予約注文が殺到したのではないか、と思います。

しかし、煽り文句によると当時高い評価を得た、とありますがそれなら何故今まで復刻がされなかったのか。
良くあるパターンとしては、演奏は優れているけれど、録音したレーベルが潰れたか吸収合併されたかで、録音自体が知られる所が少なくなって仕舞った場合。しかし、元は(今は合併して無くなって仕舞った、とはいえ)RCAでありますから、それはなさそう。
或いはレコード会社と大喧嘩をして、その録音が顧みられる機会はなくなってしまったのか。更にもう一つは、その後の音楽的嗜好の変遷に伴って、悪い演奏ではないのだけれどいつしか忘れられて仕舞った演奏の場合。何となくパドゥラ・スコダの場合は、こちらの様な。

わたくしは(先に記しました様に)ピアニスト事情には明るくないので、果たして現在のピアノ愛好家に、パドゥラ・スコダがどういった位置付けにあるのか、またその演奏はどの様に評価されているのか、よく知らないのでありますが、卒寿を迎えてなお来日公演が予定されている、とは凄いと素直に思う次第です。
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