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2017年09月07日00:34

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点鬼簿之雑談帖(その95)―土屋嘉男氏の訃報

俳優の土屋嘉男氏が、去る2月8日に亡くなられていた事が報じられました。享年89。天寿を全うして、と申し上げてよい御年齢だった、とは思いますが寂寥感は禁じ得ないものがあります。嗚呼。

<引用開始>


「七人の侍」の俳優、土屋嘉男さん死去 黒澤作品の名脇役

「七人の侍」など黒澤明監督作品の常連だった俳優、土屋嘉男さんが、2月8日に肺がんで死去していたことが分かった。89歳。お別れ会などの日取りは未定。喪主は妻、みどりさん。俳優座養成所を経て東宝に入社。昭和29年、黒澤監督の「七人の侍」で野武士に最愛の妻を奪われる農民、利吉役を熱演して注目を浴びた。以降、「隠し砦の三悪人」「用心棒」「天国と地獄」「赤ひげ」などの黒澤作品で名脇役として印象深い演技を見せた。

このほか、「乱れ雲」や「黒い画集・ある遭難」など幅広い作品に出演。「ガス人間第一号」「マタンゴ」などの特撮作品でも活躍した。

<引用終了>

出典Web:http://www.sankei.com/life/news/170906/lif1709060028-n1.html

世の中の大半の土屋さんに対する、役者さんとしての評価は黒沢映画の常連、という点なのでしょうが、特撮映画・テレビ小僧の成れの果てであるわたくしとしましては、東宝映画『地球防衛軍』のミステリアン統領役、同じく東宝映画『怪獣大戦争』のX星人統制官が、何と言っても忘れられませんね(と云ってもリアル・タイムで見た訳ではなく、後年レーザー・ディスクを買って来て飽きる事なく見てから、でありますが)。何れの作品も、最初は友好的な姿勢を見せておきながら、物語の半ばで仮面をかなぐり捨て、実は侵略者である、という正体を明らかにするのでありますが、この演技は実に見事としか言い様のないものであると思います。

ウルトラセブンでは、長編「ウルトラ警備隊西へ」の土田博士役が有名でありますね。ペダン聖人のロボット、キングジョーにもう少しで防衛センターを破壊される処、間一髪でウルトラセブンの登場で、どうにか難を逃れ。ところがこのロボットが強いのなんの、ウルトラセブンの技が全然通じない。まあそれでも御約束で、防衛センターは破壊せずに飛び去って行くのですが、その時に「素晴らしいメカニズムだ」と大いに感心する場面が、今でも印象に残っていますね。こういう役を演じたら、右に出る人はいなかったでしょうねえ。

特撮黄金時代を支えた名優がまた一人世を去って、寂寥感は尽きません。謹んで故人の御冥福をお祈り申し上げたい、と思います。

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