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2017年09月06日00:38

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新譜之雑談帖(その418)―ロスバウトのブルックナー交響曲選集(8CD)

さて此処へ来まして、因循姑息(毎度御馴染)な音楽的嗜好の持主でありますわたくしの、耳目を聳たせる様な新譜の告知が続いておりますが(何れ機会を改めて、感想文を綴りたいと思います)、また驚天動地(大袈裟)の新譜の告知情報が。嗚呼、なんてこったい。

先達てからヘンスラーというレーベルが、往年の名指揮者ロスバウトの御蔵出し録音を出し始めました。最初がワーグナーの序曲集、次がメンデルスゾーンとウェーバーの作品集(こちらはまだ購入を果たして居りませんが、近々購入の予定であります)、とポンポンと出してきたので、次もあるかなと好き勝手な妄想を膨らませていたら、妄想の遥か斜め上を行く録音の発売告知。

先達て、伊太利亜のヒストリカル・レーベルのメモリーズから、ロスバウトによるブルックナーとマーラーの交響曲の録音集が発売されました。ふうん、録音は存在はしているんだなと一時は購入を検討しかけたのですが、音質の点でどうも疑わしいものがあるので共に見送りを決め込みまして。正規の録音テープをマスタリングして、出してくれないかとちらっと妄想が頭をよぎったのでありますが、これが驚いた事に現実のものになりまして。

これがなんと、ブルックナーの第二交響曲〜第九交響曲の交響曲選集。ヘンスラーでありますから、当然オリジナル・テープからのマスタリング。先達てのメモリーズからのブルックナー交響曲集は、第二・第三・第五・第七・第八でありましたから、第四・第六・第九は(第二・第三・第五・第七・第八について、今回のヘンスラーからの音源が、メモリーズのものと同じ音源だったとしても)少なくとも此処最近では新登場。これが期待せずにいられましょうか。いや、いられない(反語的表現)。

ロスバウトには嘗て、ブルックナーの交響曲の正規の録音では、ステレオではあるものの、余り録音状態が芳しいとは言えない、第七交響曲の録音があったのみではなかったか、と記憶して居ります。わたくしがこの録音の存在を知ったのは、故柴田南雄氏の書かれたものでありまして。確かしつこくない、さっぱりした演奏でブルックナーが解らないという人に聴かせると、ブルックナーの音楽の理解に極めて有効、と云った内容の記述ではなかったかと記憶しています(毎度御馴染老朽化著しい脳味噌の記憶ですので)。

大分後年になって、なんだか怪しげなレーベルから出ていたこの演奏のCDを購入し、成程正鵠を得た分析であったと大いに感心。只録音は、これまた冴えない事で知られている、シューリヒト/ハーグ・フィルの同じ第七交響曲と、五十歩百歩という所。
自分で入手して暫く後に、故柴田先生の真似をして、ブルックナーの音楽が良く分からない、という若年の音楽愛好家に、それではこのCDを聴いてみたまえと(値段も1,000円しなかったので)贈ったのは良いものの、後日その人から、「ジャケット等は確かにロスバウトの第七交響曲でしたが、実際に入っていたCDは、スワロフスキー(メータの師匠)のブラームスの第三交響曲でしよよ。でもこの第三交響曲の演奏は気に入りました」と驚天動地の返事が来て、腰を抜かした事が。

そんな頗る情けない思い出のある、ロスバウトのブルックナー演奏でありますが、今回はモノラル録音ではあるものの、放送局の音源からのマスタリング、という事で大いに期待が出来そう。入荷日が今から楽しみでありますね。
しかし、この調子でいくと、ヘンスラーはこの次は何を出してくるつもりなのか。怖さ半分(マーラーの交響曲選集や、ストラヴィンスキーの演奏でも出された日には、もうお腹いっぱい)、期待半分(かねてより妄想している、ベートーヴェンやブラームスあたりの交響曲集が出てこないか)であります。
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