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2017年09月03日00:46

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自然科学之雑談帖(その38)―新しい惑星系の発見

少し前までは、太陽系以外の恒星系で、惑星が存在するかどうかは中々わかりませんでした。近年は観測技術の長足の進歩で、結構な数の惑星の存在が確認されています。更には生命が存在する、と思しき距離にある(主星の恒星からの距離で)惑星も見つかる様になりました。そんな中、今までの観測常識を破るような惑星が見つかったそうです。

<引用開始>

鉄も溶ける超高温の惑星発見! 太陽系外惑星の驚異の世界
太陽系の外側にある太陽系外惑星は約20年前に発見されて以来、想像を超える多彩な姿が次々と明らかになってきた。今年6月には日本などの国際研究チームが観測史上最高の表面温度を持つ惑星を発見。恒星に匹敵する超高温で、惑星の概念を覆す成果として注目を集めている。

◆恒星並みの高温、惑星の常識を覆す
見つかった超高温の太陽系外惑星は、地球からはくちょう座の方向に650光年離れた場所にある恒星「ケルト9」の周りを回る「ケルト9b」。昼間の表面温度は、鉄の融点である1539度をはるかに上回る4300度に達する。米オハイオ州立大や東大、国立天文台などのチームが発見した。ケルト9の温度は約1万度で、そこから地球と太陽の間の約30分の1という至近距離を回るため高温になっているという。太陽に近い水星や金星でも表面温度は400〜500度程度なので、太陽系では到底考えられない超高温だ。

約6千度の太陽には及ばないが、3000〜3500度のオリオン座のベテルギウスやさそり座のアンタレスを上回る恒星並みの温度だ。チームの成田憲保・東大助教(天文学)は「これまで発見されていた惑星は、全て大気が分子で構成されていた。しかしこの惑星では熱すぎて分子が分解され、原子になっているだろう。このような大気は従来、恒星でしか考えられなかった。従来の惑星の概念を覆す大発見だ」と説明する。従来の惑星の最高温度は約3千度。これでも十分に熱いが、大気は分子で構成されているとみられる。

◆既に3000個発見、個性派も続々
太陽の周りに惑星があるのなら、他の恒星に惑星があってもよいのではないか-。人類の長年の関心事だった太陽系外惑星の探索は1940年代に始まった。観測技術は進歩していったが、惑星は自ら光ることはなく暗いため、明るく輝く恒星に邪魔されてしまい、発見は困難を極めた。そんな状況が一変したのは1995年。スイスの天文学者、ミシェル・マイヨール氏が弟子とともに、初の太陽系外惑星「ペガスス座51番星b」を発見した。

惑星の光を観測するのではなく、恒星が惑星の引力の影響を受けて周期的にふらつく現象を捉えることで間接的に発見した。恒星はふらついてわずかに地球に近づいたり、遠ざかったりしており、これに伴い光の波長が変化するため、惑星の存在が分かる。「ドップラー法」と呼ばれる手法で、救急車が近づくとサイレン音が高くなり、遠ざかると低くなるドップラー効果と同じ原理だ。マイヨール氏は人類の長年の疑問を解決に導いたこの功績で、ノーベル物理学賞の有力候補に挙がっている。

彼らが見つけたペガスス座51番星bは木星のような巨大ガス惑星で、恒星からの距離は太陽と地球の距離の20分の1と近い。ガス惑星は恒星から遠い場所で形成されると考えられていたため、常識を覆す発見は太陽系を基準にした従来の惑星形成理論に見直しを迫るものとなった。
それから20年余り。惑星が地球から見て恒星の前を横切る際に恒星の見かけの明るさが変化する様子を捉える「トランジット法」なども活用され、既に3千個以上の太陽系外惑星が見つかった。日米欧などが発見を競っており、米国が2009年に打ち上げた探査衛星「ケプラー」は実に2千個以上も発見する成果を挙げた。

惑星があまりにも多くなり、もはや単なる発見では注目されなくなった。しかし、地球と同じ岩石が主成分で重さは数倍の「スーパーアース」、極端な楕円(だえん)軌道を回る「エキセントリックプラネット」など個性派も次々と見つかり、天文学者をくぎ付けにしている。

◆宇宙は生命にあふれている?
大きな関心事は、やはり生命を育む「第二の地球」が存在するかだ。地球と同様に液体の水が地表にあることが、最も重要な条件とされている。水は恒星からの距離が近すぎると熱くて蒸発し、逆に遠すぎると凍ってしまう。液体の水が安定して存在できる範囲は「ハビタブルゾーン」と呼ばれ、地球外生命発見の指標の一つと考えられている。地球は太陽系で唯一、ハビタブルゾーンに位置する惑星だ。今年2月、驚くべきニュースが世界を駆け抜けた。米航空宇宙局(NASA)などのチームが、恒星「トラピスト1」が地球のように岩石でできた惑星を7つ持つと発表。そのうち3つはハビタブルゾーンに位置するという。距離は地球からわずか39光年だ。

「こんな至近距離で3つも見つかったのなら、宇宙全体ではハビタブルゾーンに位置する惑星は思った以上にたくさんあるのではないか。つまり、宇宙は生命にあふれている可能性が高い」。多くの天文学者がこう興奮したのだ。太陽系とは全く異なる様相を見せ、生命の可能性もにおわせる系外惑星の世界。しかし成田氏は、研究の意義はそれにとどまらないと指摘する。

「太陽系や地球を理解するためにも重要だ。太陽系は宇宙に多数ある多様な惑星系の一つ。それがどうできたのかをきちんと理解するには、太陽系外を含めた惑星形成の全体像を知る必要がある」来年は3月に米国の新たな太陽系外惑星探査衛星「テス」、10月には「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の打ち上げが予定されている。系外惑星研究はますます加速し、今後もホットな分野であり続けるだろう。

<引用終了>

出典Web:http://www.sankei.com/premium/print/170902/prm1709020017-c.html

表面温度が4,000度(摂氏でしょうね)を超えていて、尚且つ惑星というのは―これまで観測されている恒星の推定表面温度よりも高温なのに、それでも惑星、というのは―なんだか本当に惑星なのかな、白色矮星や赤色矮星ではないのか、という疑問も起きますが、専門家が「惑星」というからには、素人では良く分からない何等かの根拠があるのでしょう。これからも太陽系外惑星の探査衛星が打ち上げられる、という事ですのでどんな発見があるのか楽しみです。


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