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2017年07月25日23:53

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鉄道之雑談帖(その152)―フリーゲージ・トレインの導入断念

新幹線網が次第に広がっていって、問題になるのが輸送量の小さい区間に路線を伸ばすケース。近年は新線を建設する場合は、並行して走る在来線は民営化―と言えば聞こえは良いですが、体の良い赤字確定路線の押し付け的な―がされるのが常。最近の例ですと、東北新幹線の開業区間延長に伴う、東北本線の「青い森鉄道」への切り替え、北陸新幹線の開業に伴う信越本線の分断化―この御蔭で、鉄道名所の一つであった、横川〜軽井沢間の碓氷峠越えが、あっさり廃線になって仕舞った事は衝撃的でありましたが―等々。

或いは在来線の軌道を半ば強引に標準軌に改軌して、新幹線車両をそのまま通すの荒業―秋田新幹線や山形新幹線の様に―を取る場合も。いずれにせよ、新幹線を通す事で従来の鉄道路線をぶった切るの暴挙に出る訳でありまして。

現在延長が議論されている、長崎新幹線については、当初在来線区間をフリーゲージ・トレインを走らせて、この問題をクリアしようと試みられていたのですが、どうも難しい様で。

<引用開始>

九州新幹線長崎ルート「フリーゲージ導入は困難、採算取れず」 JR九州・青柳俊彦社長
JR九州の青柳俊彦社長は25日、国が開発中のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の九州新幹線長崎ルートへの導入について「採算が取れず、現時点では困難」との認識を示した。与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会に出席後、記者団に語った。

 青柳社長は、同社による試算の結果、FGTで全面開業した場合の車両コストは一般的な新幹線に比べ年間約50億円増えることが判明したと説明。抜本的なコスト削減は難しいため採算性は見込めず、長崎ルートへの導入は困難と強調した。一方で「経験もあるし、フル規格なら自信を持って応えられる」と述べ、長崎ルート全線のフル規格化への期待感をにじませた。

検討委の会合終了後、松山政司委員長(自民党参院議員)は、28日に佐賀、長崎両県知事からも意見を聞いた上で「今後の方向性を出したい」と述べた。

<引用終了>

出典Web:http://www.sankei.com/economy/news/170725/ecn1707250024-n1.html

まあ鉄道会社も、当然の事ながら営利事業でありますし、赤字を出しても列車を運行せんかあ、ゴルァ的な暴論は(旧国鉄時代と異なり)成り立たないし、またJR九州は色々な工夫を凝らして中々採算に乗せるのは困難ではないか、と言われた三社(他の二社はJR北海道、JR四国)の中、頑張って黒字化を達成、遂に株式上場を果たしているのは周知の所。それこそお金の成る木を持っている訳ではないので、採算に合わなければ採用は困難であるのは無理からぬ所。

しかし、フリーゲージ・トレインが陽の目を見ずに終わるのは、ちょっと寂しい様な気もしますね。鉄道ファンとしましては(勝手な戯言ではありますが)。
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