先日の早稲田でのシンポジウムで、森達也監督が絶賛していたイラン映画『人生タクシー』。
イランと言えばアッバス・キアロスタミ監督を生んだ国じゃないか。
もうその時点で観ることを決めていたが、映画の公式サイトを見たら、監督のジャファル・パナヒ氏はアッバス・キアロスタミ監督の愛弟子だったと書いてあり、期待はさらに膨らんだ。
サイトによると、ジャファル・パナヒ監督は政府への反体制的な活動を理由に、2010年から20年間の映画監督禁止令を受けているそうだ。それでも映画を取り続けるジャファル・パナヒ監督に対し、森監督は敬意を込めて“禁止されながら創作を続けたら”というテーマで五分程度の新作短編映画を製作。本編前にそれも上映された(実に森監督らしい問題作だった)。
本編は監督自身がタクシー運転手に扮し、厳しい情報統制下にあるテヘランの街に暮らす乗客達の人生模様を描き出している。どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのか全然分らないドキュメント風の仕上がりになっている当たりは、実にアッバス・キアロスタミ・タッチと言えるだろう。大ファンとしてはそれが継承されていることがうれしかった。
公式サイト
http://jinsei-taxi.jp
はみだし
四月十日の日記で、吉村作治著『教授のお仕事』を電車の中に落としてなくしてしまったことを書いたが、バッグの奥で書類にはさまっていた。よく探さなかった自分を猛省。
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