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2017年03月25日22:30

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新譜之雑談帖(その368)―エフゲニー・スヴェトラーノフ:ロシアン・シンフォニック・アンソロジー第一集(56CD)

ロシア・ソビエトの往年の指揮者、エフゲニー・スヴェトラーノフが自国の作曲家の作品録音に、精力的であった事は夙に知られている所かと思います。主だった作曲家の管弦楽作品(交響曲を含む)は、あらかた録音していたのではないか、と思いますが、この程その録音集成が発売されるとの告知が。

第一集には主として19世紀生まれの、所謂ロマン派に属する年代の作曲家の作品が収録されている様です。わたくしが何れも有名な、1965年のムラヴィンスキー/レニングラード・フィルの実況録音でしか聴いた事のない、『ルスランとリュドミラ』序曲のグリンカや、『ババ・ヤーガ』のリャードフに、これだけの管弦楽作品がある、とは知りませんでした。

スヴェトラーノフが度々取り上げる事で、その交響曲が知られる様になった(一頃随分録音が相次いだ様に記憶していますが)カリンニコフの管弦楽曲も、CDで2枚分収録されていますし、他にもタネーエフ、リャブノフと云った、名前も聴いた事があるようなないような(無論わたくしにとって、でありますが)作曲家の作品も収録されていて、これは中々凄い録音集成ではないか、と思う次第。

この録音集成の中で、わたくしが蔵しているのは、チャイコフスキーの交響曲全集(幾つかの管弦楽作品が合わせて収録されていますが、その中に例の改竄版大序曲『1812年』がありました)、カリンニコフの交響曲第一番・第二番だけか、と思います。どちらもスヴェトラーノフ独特の、骨太で豪快な部分の一方で、案外デリカシーにも不足していない、説得力の高い演奏であるとの印象を持っています。

わたくしは何が何でもロシア物ならスヴェトラーノフ、という程には入れ込んでいないので、流石にこれだけの枚数の録音集成に手を出す予定はありませんが、それでもボロディンやリムスキー=コルサコフ辺りの録音が単独で出る事があったら、ちょっと考えてみたいですね。しかし、オリジナル音源からの発売とはいえ、メロディアの音質は余り評判が宜しくないのも周知の所。それでもファンにとってはたまらぬものがありましょう。しかし、この手の録音集成としては、お値段が聊か高めの様な。CD一枚当たりが1,000円に近い価格設定、というのはファンにとっては聊かつらいものがあろうか、と思います。
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