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2017年03月16日00:16

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『カルテット』第9話を見て『Mother』を思い出す

くすっと笑ったり、切なくなったり、ほのぼのと胸があたたかくなった直後、
突然パーンと吹っ飛ばされるような思いもよらぬ展開が待ち受けている。
このドラマに毎回翻弄されることが快感となっているのだけど、
ついに次回で最終回。どんなふうに着地するのだろうか。

『Mother』に熱中した坂元裕二ファンとしては、今回の第9話を見て、
葉菜(通称「うっかりさん」)と娘・奈緒の
数奇な人生を思い出さずにはいられなかった。
彼女もすべてを捨てて逃げたひとだった。
小さな娘の手をひいて歩く彼女の前に見えていた暗いトンネルは、
今回、真紀に戸籍を売った、本来の早乙女真紀が
盗んだ自転車で疾走していたのと同じ場所ではなかったか。

奈緒と継美のために、「戸籍は買うことが出来るの」と、
その筋のひとに段取りをつけてくれた葉菜。
犯罪などと結びつけようもない人柄のひとが
ひそかに通じている闇の世界。

よるべない少女が受ける虐待、暴力と孤独。
廃船によりかかって星空を見上げる真紀(山本彰子)と、
楽器に手足が生えて歩いてるみたいな、
チェロケースを背負った幼いすずめ。
その痛々しさは、『Mother』の玲奈(継美)を彷彿とさせる。
坂元さんが繰り返し描くモチーフの共通性を感じさせた。

『Mother』は私がもっとも熱中した坂元さんのドラマ。
後にも先にも、これほど深く入れ込み、考察した作品はないかもしれない。
忘備録のためにも、『Mother』記事のまとめを再び載せておきます。

・「Mother」記事まとめ 2011年07月07日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1746951156&owner_id=949383

ついでに、「カルテット」公式メモリアルBOOK中の四人の対談で、
”一番好きな坂元作品は?”という問いに対し、
高橋一生さんが挙げていた朗読劇『カラシニコフ不倫海峡』のレポも。
数少ない観劇者の一人であって良かった!

・カラシニコフ不倫海峡(坂元裕二 朗読劇 二〇一四)
2014年06月16日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928084371&owner_id=949383

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