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2016年11月19日01:44

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『湯を沸かすほどの熱い愛』

湯を沸かすほどの熱い愛

 <宮沢りえ>ほどの大女優なら企画やスタッフを選べる立場だと思うのに、メジャー初作品の新人監督…しかもオリジナル脚本を選んだというのには拍手を送りたい。
誰もが守りに入りたい時代なのに、リスクを恐れず果敢にチャレンジしてゆく姿勢こそ、主人公の生きざまとも重なるようだ。

 家族経営の銭湯から大黒柱の父親が失踪し、娘はイジメで現実逃避気味…、そこへ更なる問題が降りかかる。自身も余命いくばくもないガン患者と知った母親は残された時間で家族の問題を解決すべく<やるべきリスト>に挑む。
とんでもない悲劇の連続なのだが、お涙頂戴物にせず全部力技で強引にでも大団円にしようとする逞しさには勇気づけられる。

 終活問題は誰にとっても他人事ではあるまい。
まずはラストシーンありきだったというのは驚きだが、これは処女作と対をなすのだという。
そう聞けば、中野量太監督のメジャーデビューへの名刺代わりといった意味合いであろうか。
時間をかけて書いたというだけあり、ひねりのきいた脚本。
二重三重に仕掛けられた秘密の暴露は出来すぎといえば出来すぎだが、俳優陣の好演もあって見ごたえある。

 母親役を演じる<宮沢りえ>も自身のキャリアで最上級の存在感を見せつけるが、娘役の<杉咲花>の感情表現が光る。
少しばかり、ヒッチハイクの松坂桃李は浮いているか?
これが最後の出演となったリリィも出番は短いながら忘れがたい。

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