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2016年11月04日02:41

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東京国際映画祭総括、『シエラネバダ』&『クラッシュ』

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 今年の東京国際映画祭も終了。
チケット販売でドタバタしたけど、来年は改善されると信じましょう。パソコン

さて、つぶやきにも書いたけど、コンペ作品は16本中3本しか見てなかった。
…というのもグランプリ枠を押さえられたら他は我慢しようかなぁという思いも働いたから。
(ワールド・フォーカス部門を優先鑑賞。)
しかし、上記のようにチケット販売のシステム問題で取れなかったため、仕方なく気になった数本を取ったというわけ。

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 とりわけ『4分間のピアニスト』のC・クラウス監督の新作『ブルーム・オヴ・イエスタディ』だけは受賞云々とは別に見たかったので優先してゲット。
そしたらこれがWOWOW賞もグランプリも取ってしまった。(笑)
WOWOW賞はまだわからなくもないけど、グランプリまでとは…。
おそらく今年の審査委員長のジャン=ジャック・ベネックスの色もあったのかなとは感じる。(ところでベネックスは新作撮らないのかな?)

 観客賞の『ダイ・ビューティフル』と審査員特別賞の『サーミ・ブラッド』は配給が決まったというから公開を楽しみにしたい。

フォトフォト


 忘れないうちに残りの備忘録を…。

『シエラネバダ』
http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=143

 3時間の会話劇。
ルーマニアのある家庭の話。
一家の主が亡くなり、法要で親戚が狭いアパートに集まってくる。

 遅れていて中々来ない神父を待つ間に交わされる明け透けない会話から次第にこの家族の内情が浮かび上がる。
あるものは政治への不満であったり、また夫婦のもめごとや子育ての悩み、果ては亡き父の隠しごとなど次から次へと問題が噴出する。
手持ちカメラによる長回しは臨場感を高め、見ていてイライラが良く伝わる。
そして全員揃うまでと釘を刺されるためにどんどん料理は冷めてゆく。(笑)

 もしかしたらセリフは即興なのだろうか。
どこの親族でもありそうな内容に思わずうなずいてしまう。
テンションが高い会話劇で、良くも悪くも血は争えないとどこかでホッとする。

 もっとも個人的には登場人物と時間を減らして欲しい気もした。あせあせ


『クラッシュ』
http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=153

 かつては海外旅行の主要国のひとつだったエジプト。
だが、ムバラク政権を倒したのちは情勢が不安定になり渡航自粛も目に付くようになった。
いわゆる<アラブの春>を受けての映画であるが、日本にいては伝わりにくい現地の様子が知れて興味深い。

 警官とデモ隊が日常的に衝突する“ある日の出来事”を通して語られる作品で、一台の護送車の中で繰り広げられる人間模様からかの地の問題を詳らかにしようということだろう。

 敵味方入り乱れて詰め込まれる護送車はまさに<呉越同舟>状態。
暴動を撮影してスクープ狙う記者や暴動に巻き込まれた市民、それにデモを扇動する同胞団に聖職者などが入りまじる。
大事の前の小事ばかり気にする連中に「それ以前に大切なことがあるのでは?」という問いかけなのだろうか。
こういう時だからこそ協力し合わなければ、大局は乗り切れないのだろうが…。

 実に硬派な社会派ドラマで、現実に失望しているかのような制作陣の叫びも聞こえるくらいに辛辣な内容になっている。
終始、狭いバスの中で繰り広げられる室内劇はエジプトの暑さも手伝って息苦しいばかり。


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