奈良の国立博物館では、恒例の正倉院展が始まりました。今年は漆胡瓶が18年ぶりに出典されるそうでして。わたくしは(恐らくはこの18年前に)漆胡瓶は見た事があります。当時の教科書の写真では、表面に装飾が施されている事が解らず、只表面は黒っぽいものと思い込んでいたので、装飾を見ておや、と驚いた事を覚えて居ります。
一方、平城京跡資料館では、「地下の正倉院」と題して、出土した木簡の展示が行われているそうで。
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古代の役人勤務評価は? 平城宮跡資料館で「地下の正倉院展」 木簡など公開 奈良
平城宮跡(奈良市)で出土した木簡を公開する「地下の正倉院展」が、奈良文化財研究所・平城宮跡資料館で開かれている。今回は「式部省(しきぶしょう)木簡の世界−役人の勤務評価と昇進」がテーマ。展示木簡を通じ、現代と同じように奈良時代の役人が勤務評価などを気にしていた様子が想像される。
I期は31日まで。II期は11月1〜13日、III期は同15〜27日で、計約180点を展示する。「式部省木簡」は昭和41年に平城宮跡東南隅で見つかった奈良時代の木簡群で、役人の人事などを担当した役所・式部省が行った勤務評価の際に使われた木簡の削りくずが中心となっている。勤務評価の木簡は側面に孔(あな)を開ける加工がされているのが特徴で、別用途に再利用されたものも多い。
I期の展示品には、ほぼ完形の「勤務評価木簡」がある。村合氷守公麻呂(むらあいのひもりのきみまろ)という河内国志紀郡に戸籍がある54歳の役人の勤務評価で、位、名前、年齢などの上に「去上」と記載。去年の評価が3段階(上、中、下)の「上」だったことを示している。一方、従八位上の役人の木簡には「去不」と記され、出仕しなかったか、出勤日数が不足するかなどして、去年は評価対象外だったとみられるという。
こうした毎年の評価である考課を記した木簡のほかに、一定年数分の積み重ねによる位階昇進の評価である選叙の木簡もある。このほか、役人の養成機関である大学寮が式部省に対し宿直担当者を報告した木簡や墨書土器なども展示。現代にも通じる古代の役人の様子を想像して楽しめる機会となっている。
月曜は休館(今月31日は開館)。入場無料。問い合わせは奈良文化財研究所連携推進課(電)0742・30・6753。
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出典Web:
http://www.sankei.com/region/news/161021/rgn1610210016-n1.html
平城京跡から木簡が大量に出土する前は、正倉院に書類が沢山収められていた事から、日常的に紙が既に使われていた、と考えられていたのですがそれが覆ったと習った記憶が。藤原仲麻呂、吉備真備と云った教科書で習った人々の、墨で黒々と書かれた筆跡を見た時は、不思議な感動を覚えたものでしたが、木簡の無名の人々の記録もまた興味深いものがありますね。
しかし出て来たのは昭和41年、との事ですから見付かってから50年が経過している訳でして。これまでも展示された事はあったのか、それとも漸く整理が出来たから、なのか。観に行きたい、とは思うのですが何せ財政事情が(泣)。東京でも開催して貰えませんかねえ(嘆)。
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