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2016年10月03日23:55

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音楽之雑談帖(その60)―サー・ネヴィル・マリナーの訃報

世間では東工大栄誉教授の大隅良典氏のノーベル医学生理学賞受賞に湧いて居りますが、帰宅して夕刊を見るとサー・ネヴィル・マリナーの訃報が掲載されていました。嗚呼……

マリナーはつい最近も来日して、N響を指揮したりしていましたので、随分元気だなあ、と感心していたのですが、これ程早く訃報に接する事になるとは些か予想外でした。今から2年程前、アカデミー室内管弦楽団のウェブ・サイトを眺めたら、マリナーの生誕90周年を祝うコンサートが企画されているとあって、へえと思ったものです。

併し実を申しますと、わたくしはマリナーの演奏は余り好きではありませんで。音盤はその昔、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団と録音した、ホルストの『惑星』とエルガーの『エニグマ変奏曲』をカップリングしたLPだけ蔵して居りました。出来が悪い、と云う訳ではないのだけれども、どうも可も無く不可も無く、安全運転に終始して特色に乏しい演奏、と云う印象しか受けませんでした。

マタヤマタヤの駐在員稼業時代、関係の深かったアカデミー室内管弦楽団を指揮しての演奏会にも一度だけ行った事があります。只、この時は『室内管弦楽団』を名乗っている筈、なのに(人数が多いのでちょっと驚いて人数を勘定してみたら)プレーヤーがほぼ百人規模の、普通のオーケストラであったのが些か意外でありました。
そんな事に気を取られていた所為か、演奏の印象もさっぱり残っていないのですが、悪い演奏であれば悪いなりに印象に残っているので、まあ矢張り可も無く不可も無い、安全運転の演奏であったかと(曲目にはドヴォルザークの第八交響曲が含まれていました)。

個人的にはこの指揮者の全盛時代は、矢張りアカデミー室内管弦楽団を率いて、デッカやフィリップスにもりもり録音を残していた頃ではなかったかと云う気がしますね。後年、録音から縁が遠くなり(と云う気がします)、その演奏に接する機会が少なくなって仕舞った事も影響しているのでありましょう。

これからしばらくは、追悼盤があれこれ出るのでありましょうが、個人的にはハイドンの名前がある交響曲を集めての演奏が再発されないものか、と密かに期待するものが。

謹んで故人の御冥福を御祈り申し上げる次第です。
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