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2016年09月25日02:11

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『ヒッティング・ジ・エイペックス』

ヒッティング・ジ・エイペックス

 タイトルの意味は最速のレコードラインを求めて、コーナーの頂点<エイペックス>を奪い合う瞬間を言うものらしい。
ロードレース世界選手権“MotoGP”の頂点に立つバレンティーノ・ロッシ、ホルヘ・ロレンソ、マルク・マクケス、ダニ・ペドロサ、ケーシー・ストーナー、マルコ・シモンチェリの6人のトップ・ライダーたち。
彼らの戦の日々がつぶさに描かれるドキュメンタリー映画。
監督を『FASTER ファスター』などのマーク・ニールが務め、製作とナレーターは自身もバイク好きで知られるブラッド・ピットが担当。

 世界の腕自慢のさらに頂点に立つひと握りのライダーたち。
常に危険と隣り合わせ。
わずかなミスが命取りになりかねない。

 そんな厳しい世界で上達するコツはと問われたら、逆説的だが「転倒すること」なのかもしれない。
失敗するから自分の限界が分かるし、ギリギリまで攻めているからこそ「その上のステージ」が見えてくる。
これはモータースポーツに限らず、普段我々の生活にも言えるのではないか。
安全地帯で慣れたことだけをしていたら、上達は見込めない。
失敗を恐れていては、成功はつかめないのだ。
何度倒れても立ち上がる力と勇気が大切だということを改めて教わる。
(しかし、時速300キロを超える速度での転倒は冷や汗が出る。)

 車体搭載カメラによる臨場感あふれる映像もスリリングだし、ハイスピードカメラによる超スローモーションはため息が出るほど美しい。
極限まで攻めたコーナリングの映像は芸術的でさえある。
俯瞰で見せるシーンで一人ずば抜けた走行を見せる異端児にライン取りとはかくなるものかと感服させられる。

 どの世界でも似たようなものかもしれないが、純粋な気持ちで始めた競技なのに、トップに近づけば近づくほど本業以外の余計な仕事が増える苦労に同情したくなる。

 時にライバルであり、時には戦友として接する姿は『ラッシュ/プライドと友情』にも通じるのではないか。
劇中で流れるピンク・フロイドの曲に泣いた。涙

フォト


英国盤BDなどに日本語字幕付き。
10月22日より一般公開。

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