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2016年09月21日01:57

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『レッドタートル ある島の物語』

レッドタートル ある島の物語

 昨晩のRed Nightから赤繋がりで『レッドタートル…』を。(笑)


 オスカー受賞もしている『岸辺のふたり』(短編アニメーション部門)のアニメ作家マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの初長編がこの『レッドタートル ある島の物語』。

 漂流して無人島にたどり着いた孤独な男と不思議な赤いウミガメの係わりを一切のセリフを排除して、美しい映像で語る。
スタジオジブリが共同制作(特に高畑勲が脚本作りに深く携わっている)という話題でも知られているが、完成作品を見て長編を引退した宮崎駿が「このスタッフがいれば…(また長編が作れる)」とまで言わしめたというだけあり、映像の見事さは目を見張る。
ギラつくデジタルっぽい色彩ではなく、ナチュラルで上品な配色。
まさにアート作品と呼ぶのにふさわしいと思う。

 誰の目線で話を解釈するかによると思うが、メインタイトルが『レッドタートル』であることを忘れてはならないだろう。
極めてシンプルな話だが、それだけに作家性が良く伝わる。
日本の伝統文化を語るときに『詫び』『寂び』という言葉が使われるが、まさしくこの作品にはそれを感じる。
無人島に生えている植物が竹というのもなんだか東洋的だ。

 ファンタジーとも童話とも取れる世界だが、それだけにレッドタートルの「なぜ」に耳を傾けてみることが大事なのではないか。

 10年がかりの企画という気の遠くなるような作業は、どれほど困難があってもあきらめずに大海にこぎ出そうとする主人公の姿とも重なる気がする。

 人生と向き合い、生命のつながりや自然とのかかわりあいなど考えさせられる点が多く、幾度となく反芻しがいのある作品だと感じた。
巷を騒がす派手なアニメーション作品もいいけど、こういう作品が好きだという人が好きだ。

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