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2016年08月20日23:07

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新譜之雑談帖(その311)―ピアニスト・ショルティの録音

昨日に続き、豪エロクエンスの新譜の話題を取り上げるのは、廻し者の様でちょっと気が引けない事もない、のですが、それはさておき。
アンセルメの場合の様に、事によるとデッカはショルティの録音集成を拵える積りなのか。と申しますのは、アンセルメの録音も、始め豪エロクエンスからあれこれ出した後―わたくしは従来、アンセルメの録音を蔵した事がなかったので、『春の祭典』のモノラル録音や、手兵スイス・ロマンド管弦楽団ではなくフィルハーモニア管弦楽団を振った、リハーサル付きの『火の鳥』等を購入しましたが―それぞれ30枚を超えるボックス・セットを三つも出した事がありますので。

事に依ると、売れ行き調査の為の(或いは需要測定の為の)、アドバルーン的企画なのか、それは全くのわたくしの妄想なのか。前回取り上げた、頭髪の状態は若かりし頃から余り変わらなかった事を示す、写真を用いた初期録音(指揮者としての)に引き続き、ピアニストとしてのショルティの録音を発売する事になったとの告知が。おやおや、なんてこったい。曲目はブラームス、ベートーヴェン、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタだそうです。むむむむ。

大体指揮者はピアノも抜群に上手くて、ワルターやフルトヴェングラーの様にその録音が残されている指揮者も居りますが、ショルティの場合は少し異なっていて。指揮者志望であった事は確かなのですが、ピアニストのコンクールに優勝したもので、指揮者として芽が出る前はピアニストとして活動していたのは周知の所か、と。
ピアニストとしての録音も残されていた、と云うのは文献上では知っていましたが、21世紀になって実際に耳に出来る機会が訪れようとは、思いませんでした。共演者がクーレンカンプ、と云うのも少し驚かされた所。わたくしのイメージの中では、クーレンカンプは戦前のSP時代の演奏家と云う刷り込みがあるので(実際は戦後すぐに亡くなったので、戦後すぐにキャリアをスタートさせたショルティとの共演があっても、別におかしくはないのですが)、ちょっと不思議な感じが。

以前にも申し上げました様に、わたくしは演奏家ショルティの音楽作りは全く好みに合わないので、敢えてピアニアスト・ショルティの音盤を買おう、とは思わないのですが、音盤道楽も長年続けていると、時に時代の波に埋もれて仕舞った録音の発掘に立ち会う事があるのだなあ、と感慨を催した次第であります。
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