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2016年08月05日23:58

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新譜之雑談帖(その307)―クナッパーツブッシュ『ニーベルンゲンの指輪』録音全集(42CD)

良く某巨大掲示板で用いられる『○○、恐ろしい子』と云うキャッチ・フレーズがあります。出所は何時終わるか計り知れない(?)大長編少女漫画『ガラスの仮面』だそうですが、それを拝借するなら『ヴェニアス、恐ろしいレーベル』と云った所でありましょうか。

先達てクナッパーツブッシュの『パルジファル』全録音集成、と云う頗る付きのマニアックなボックス・セットの発売を告知し、わたくしの様な因循姑息な音盤趣味の持ち主の度肝を抜いただけでは満足しないのか。それとも先日、この『パルジファル』録音集成を出す、と云う話題を取り上げた際、「事によるとこのレーベルは、クナッパーツブッシュ/ワーグナー楽劇・歌劇全録音集成』でも出す気なのか」と云う感想が聴こえたのか(そんな筈も無く、只の誇大妄想)。今度は同じクナッパーツブッシュが残した、『ニーベルングの指輪』全録音集を出す、との告知が。おお、全く一体なんてこったい。

紹介記事によりますと、戦後のバイロイト音楽祭の主的存在(とわたくしが勝手に思っている)だった、クナッパーツブッシュが『ニーベルングの指輪』全曲を指揮したのは、1951年、1956年〜1958年だそうでして。このうち1951年はテスタメントから突如発売されて、大騒ぎになった『神々の黄昏』だけ、録音が残っているとの事。個人的には何処からか、他の楽劇の録音も突然出てきたりするんじゃないのか、と云う疑念をぬぐい切れないのでありますが、それはさておき。

現段階では1956年〜1958年(日本の元号で云うと、昭和31年〜昭和33年、因みに何の関係もありませんがわたくしが生まれたのは昭和32年)の3種類の、クナッパーツブッシュによるバイロイト音楽祭での『ニーベルングの指輪』全曲の録音が残されている、と云う事で。併し、CDの時代になって占有空間並びに重量的な問題は、LP時代に比べてぐっと軽減されたと雖も、それでも『ニーベルングの指輪』全曲盤ともなると、CDでも14枚を要する
大変なボリューム。それを録音時期は異なるとはいうものの、同じ指揮者による演奏のみのセットが、果たして売れるのでありましょうか。

わたくし自身としましては、管弦楽指揮者としてのクナッパーツブッシュは御贔屓指揮者の一人ではありますが、繰り返し述べて居ります様に、歌劇・楽劇の全曲盤を聴いて楽しむと云う事がないので―無論クナッパーツブッシュが、偉大なワーグナー指揮者であるのは百も承知ですが―このボックスに手を出そうと云う気にはちょっとならないと云うのが正直な所。

併しヴェニアスはこの後、何を企んでいるのか。クナッパーツブッシュの管弦楽録音集成でも出す積りなのか。或いはクレンペラーの古い実況録音集成(VOXへの録音も含めての)を出す積りか、はたまたシューリヒトに手を出すのか。ちょっと動向が気になる所ではあります。



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