我が町内『夢見ケ崎』は、この地で太田道灌が昼寝を貪ったときに見た夢が、鷹が兜を加えて東の方へ飛んでいったから、というだけの理由で築城をあきらめた江戸城なりそこないの街。
それでも、11月には「道灌祭」というささやかなパーティーをこなしている。
一方、赤坂の日枝神社は、太田道灌が江戸城の守護として城内に遷座してきた神さま。
今年は日枝神社山王祭が大祭として、神幸祭や下町連合渡御が開催されるめでたい年。
ちなみに、山王祭は日本三大祭りの一つ。
あとの二つは「祇園祭」と「天神祭」、ともに京阪地区。
朝方の地震で電車に遅れが出てはと、少し早めに日本橋到着。
コレド室町の隣地にある福徳神社で、函館旅行無事帰還のおかげ参りと、シンプルな御朱印拝受。朝9時30分、すでに御朱印ガールが3人、並んで待っていた。
TOHO日本橋で午前十時の映画祭を1本鑑賞したのち、中央通りに出向き道端アンジェリカの様子を探る。
正午を過ぎたころだから、場所取りは未だまばら。
ディズニーランドのエレクトリカルパレードよりは空いていて、とても見易そうだ。
法被を着た幸せそうなおっさんに、渡御の時間を尋ねると、
「このあたりが1時、日本橋の上で差すのが1時半、高島屋さんが2時だよ」
と、分かりやくすない言葉で丁寧に教えていただいた。
ちなみに”差し”っていうのは、神輿を大きく持ち上げて、神輿についている鈴を鳴らし高々と差し上げる自己顕示力のカタマリのようなアクション。
50分ほど、時間があったので高島屋で開催中の『黄金展』を冷やかした。
https://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event/ougonten/index.html
『美空ひばりゴールド』プレイスレス。
1億3千万円の茶釜を買おうかと思ったが、手持ちがなかったので今回はあきらめた。
それにしてもガードマンの数が客の数よりも多い不思議な空間。
冷やかしということがバレていたからなのか、店員さんからひと言も声をかけられない。
寂しかったので、自ら係りのおねえちゃんに聞いてみたら、一番売れるのは”おりん”だそうで、予算は80万〜100万円程度。
1つ、2つ叩いてもらったら、おりんの音が心地よい。
これも手持ちがなかったので、
「おりんと言えば、東京オリンピックはどうなるんでしょうね?」
と、行き当たりばったりの話題をふって、逃げるように会場をあとにした。
昼めしを行列のたいめんけんを尻目に、「京都銀閣寺ますたにラーメン」で「サラっと済ませ、中央通りに舞い戻る。
道端の見物客はおよそ3列。
写真を撮るため車道へ出ても規制は緩く、意外と自由に動き回ることができた。
隣りのガキんちょは「ミッキーマウス、来るの」と寝ぼけたことを母親に聞いていたが、のちほど森の中へ置き去りにしてやろうか。
荘厳な巫女さんたちの露払いの後にやってきたのはガキどもの山車だし。
前座が通り過ぎると、16町内のベスト美女が掲げる高張提灯、ここにあり。
鳶頭衆や火消し組頭衆の粋な法被の着こなしに、チン毛もろだしの褌姿。
Tバック以上の極細ふんどしにつき、玉金御免もあぶなっかしい。
このおっさんには、再来年の祭り前にはVゾーンケアを勧めたい。
ん、男子はTゾーンだっけ?
町内法被に混じって、多くの企業名をつけたサラリーマン担ぎ手たち。
日曜出勤ではあるけど、上場企業なら休日手当が支給され、ブラック企業なら無給が約束されている。
20年ほど前の自分を思い出す。
江戸三大祭りの一つ、神田祭の神輿を担ぎ、いきがっていたあの頃。
プロ担ぎ手たちに”いじめられ”、神輿の組手が両肩にあたり、翌日から1週間は肩を腫らしたもんだった。
それでも、法被を纏うと気が大きくなるもんで、ワッショイ、ワッショイ、声を枯らして渡御したもんだった。
ちなみに、江戸三大祭りのもう二つは「日枝神社山王祭」と「富岡八幡宮深川八幡祭」だね。
16台の神輿が連なる壮大な風景を作り出す中央通り。
1つの神輿から、赤青の法被を着た青年が、目の前に放り出されてきた
日本橋のたもとに本社を構える日本一の証券会社N証券の社員のようだ。
続いて、小太りの鳶頭が神輿を離れてやってきて、倒れている社員の首根っこを捕まえた。
「てめぇ、ケンカ売ってるなら承知しねぇぞ
」
プロの担ぎ手、エリートサラリーマンにブチ切れの図。
N証券の仲間が4、5人、すぐさま止めに入り、棟梁に頭を下げて詫びている。
離された社員は、口をとんがらせて(涙目になって)何かを訴えていたが、この雰囲気では糠に釘。
多くの見物客から、さげすまされた視線を向けられていた。
おそらく、神輿担ぎのマナー違反があったのだろう。
エリートサラリーマンの立場をわきまえない、調子に乗りすぎた行動だったと思われる。
彼は、その後、上司と思われる2人に抱えられ、この場を去っていった。
彼の地方左遷が来週にも発表されるだろう。
これこそ、ヒエェ〜人事や
もちろん、神輿は何もなかったように、日本橋への歩みを進めていた。
本日2本目の開映時間が迫っていたのでフィナーレを見ることなく、日本橋をあとにした。
そんな1日。
高島屋の金よりも、ふんどしの金が印象深い。
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