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2016年06月11日00:55

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『JOY』

JOY

 『世界にひとつのプレイブック』のデヴィッド・O・ラッセル監督が再びジェニファー・ローレンスと組んで贈るシングルマザー発明家の物語。
ベースになるのは手を汚さずに絞ることができる“ミラクルモップ”を発明した実在の人物ジョイ・マンガーノ。
派手さはないがデヴィッド・O・ラッセル監督の職人気質が出た一作だと思う。

 幼少のころからモノづくりに興味があり、才能も有りながら周囲の無理解から自分を押し殺さざるを得なかったジョイが、永き“心の冬眠”に決別して夢に向かって羽ばたこうとする姿を描く。
子供の才能を伸ばすのが親の役割だとしたら、ともかく最低の環境に育った不孝を感じる。

 まともに働こうとしない家族を背負ったジョイの孤軍奮闘ぶりを見るにつけ、足を引っ張り続ける周囲のロクデナシどもには辟易する。
世間一般がジョイの才能をきちんと評価しないだけでなく、彼女の世話になっているものでさえ信じてくれないショックはいかばかりか。
無理解な世間に耐えに耐えて掴みかけた成功にも横やりが入るのには強く同情する。

 一応、ジョイ・マンガーノを中心モデルに据えているが、他の発明家のエピソードもヒントにしているという。
80〜90年代のアメリカのTVショッピングの内幕が興味深い。
普段何気に見ているTVショッピングの仕組みってこうなっていたのか…。(笑)
TVの向こう側の人間の怪しさはどの国も同じなのだろうか。
蝉のメタファーや発明のきっかけとなるスケッチを原点を思い起こさせる子供のツールで演出するあたりはさりげない味付け。

 タイトル・ロールのジョイを演じるジェニファー・ローレンスはさすがの存在感を見せるが、ロバート・デ・ニーロ、ブラッドリー・クーパー、イザベラ・ロッセリーニといった豪華なキャストを十分生かせていたかは疑問。

 映画史に残るような傑作ではないだろうが、どれほど困難があってもどん底から這い上がるジョイの姿に力をもらえる。

フォト



 日本公開は未定(たぶんある?)だが、イタリア版BDに日本語付き。
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