『
デッドプール』
アメコミヒーローも飽和状態で、単体では勝負できぬ(?)と団体戦で何やら小難しくなる傾向もみられるが、それらとは真逆のようなおふざけキャラの登場。
数あるアメコミヒーローものでは異色中の異色だろう。
オープニングからしてふざけたテロップが流れる。
この時点で作品の質は決まった。(笑)
いきなり観客に語り掛けるという<第四の壁>も突き破る。何もかも型破り。
特殊な力を得て使命感に燃える…というのはよくあるヒーローもののパターンだが、デッドプールはあくまでも力を私物化する。
ルールもモラルも無視して、ひたすら自分の復讐のために戦う。
だが「世のため、人のため」と嘯かないこの潔さが彼の魅力。
下ネタやグロでデコレートしていても
その下には熱い純愛が隠されている。
かくまうのが老いた盲目黒人女性というのも社会の弱者を象徴しているかのようだ。
ともかく長尺でシリアスになりがちだった近年のアメコミものよりも軽快にテンポよく進むのが好印象。
他にも主要キャラらしい(?)のが出るけど、あまり脇には時間を割かずにデッドプール一本で進めたのは良かったのではないか。
庶民目線で語るところも親近感がわく。
映画やポップスなどのサブカルネタが満載なのも楽しめた。
デッドプール演じるライアン・レイノルズ自身の自虐ネタには思わず吹き出しそうになった。
恋人ヴァネッサにはリメイク版『V』のアナ役や『HOMELAND』でも知られるモリーナ・バッカリンが抜擢。
好きなタイプの女優さんなので今後の活躍にも期待。
早口でまくしたてていることもありろくに聞き取れてはいないのだが、どうも字幕翻訳はだいぶ下品さがスポイルされているようだ。
なんでも映画評論家の町山智浩氏に監修依頼が来たらしいが、『テッド』の顛末もあって懲りたらしく断ったと聞く。
しかし、今回は受けて欲しかったな。(笑)
(噂では吹き替えの方がニュアンスは字幕より近いらしい。)
ところでタクシーの“アレ”はどうなったのだろう?
ちなみに先着6万名に限定フィギュアがもらえます。
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