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2016年04月22日23:50

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新譜之雑談帖(その281)―アルゲリッチDG録音集成

ぢぢいなので昔の話が多くなるのは御容赦いただきたいのでありますが、わたくしがクラシック音楽に関心を持ち出した頃、ほぼ同じ頃にクラシック音楽に興味を持ち出したK、という他のクラスの友人が居りまして。彼の御贔屓はマルタ・アルゲリッチでありましたが、御贔屓になった理由と云うのが些かふるって居りまして、曰く「オレ好みの美人」。まあアルゲリッチ姐さんは、確かに黒髪の美人でありましたから、別にそこから入っていけない、訳ではないのですが、演奏を聴いての感想を聴いてみると、「ピアノ曲は俺、良く解かんねえ」と云う回答が。

高校卒業以降、没交渉となって仕舞ったので、その後もアルゲリッチを御贔屓にし続けたのか否か、は定かではないのですが、個人的にはアルゲリッチの名前を聴くとこのKを思い出すのが常、でありまして。

さて、DGからアルゲリッチの録音を纏めた音盤が2点発売されるとの告知が。一つはDGへのショパンの作品を集めたもの、もうひとつはDGには珍しく、アルゲリッチのデビュー当時の放送録音を発掘してまとめたもの。アルゲリッチのショパンは定評のある所、でありましてこうした形で纏められるのもむべなるかな、と思う次第。

只、わたくし正直に申しますと、アルゲリッチのショパンに余り感心しなかった記憶が。昔々のLP時代にも、ショパンの録音集成が出た事があって、購入した事があるのですが、当時評判の良かった前奏曲集を聴いて、悪い演奏ではないのだけれど、どうも自分の中ではぴたりとツボに嵌らないもどかしさの方が、先に来た記憶があります。尤もこれはショパン、と言えばコルトー、のわたくしの方がずれているのでありましょう(実はポリーニの前奏曲集を聴いても、ピンと来なかったのですが)。大いに楽しみにして聴いた英雄ポロネーズにも、同様の思いを禁じ得なかった記憶があります。

尤もこれは、当時の国内LPの音に原因があったのかも知れません。幸か不幸か、CD時代になって以降、アルゲリッチのショパンには手を出していないので、これを機会に今の耳で聞き直してみるのも一興か、と思います。

一方放送録音集は、姐さんの二十歳前の演奏が聴ける、と云う点でファンにはたまらないものがあるか、と。曲目も十八番が含まれているので、大いにそそられる一枚でありましょう。

しかし、告知に使われていた某ア○ドと一緒に写っている頃の姐さんは、別嬪でありますねえ。Kがぞっこんになったのも首肯出来る所。近年は音楽祭でも実況録音が幾つも出ている様ですが、今後とも姐さんには、お元気で活躍して欲しいものであります。
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