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2016年04月03日23:00

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新譜之雑談帖(その277)―ストコフスキー編曲集

レオポルド・ストコフスキーは、わたくしの御贔屓指揮者の一人でありますが、この指揮者程所謂ヒョーロンカ衆から、目の敵の様に扱われる人は少ないのではないか、と思います。古来から有名な一連の編曲物が正統性を欠く、と云う事でボロクソに言われる様ですが、そんな事を言い出したら昨今脚光を浴びている、所謂古楽器系の連中なんかどうなんだ、と言いたいのでありますが、それはさておき。

ストコフスキーの手掛けた、一連の編曲物は本人による録音が昔から沢山残されているのは衆知の所。最近はサヴァリッシュ、サロネンによる録音も出ましたが、近年ナクソスとシャンドスの二つのレーベルに、ストコフスキー晩年の弟子筋・或いはアシスタントを務めた、二人の指揮者によるストコフスキーの編曲集が発売されたのは、比較的敵記憶に新しい所。わたくしはストコフスキーの編曲物は大好きなので、どちらの録音もそれぞれ楽しみにして購入したのでありますが、この程それぞれのレーベルから言わばハイライト集、ともいうべき編集物が発売される、との告知が。おお、なんてこったい。

尤も最初は新しい録音が発売されるのか、と一瞬狂喜したのですが、既存の録音からのハイライト集であったと気が付いてちょっと落胆。それでもこれまでこの一連の録音を入手していない愛好家にとっては、こうした形でも接し易くなったのは、歓迎すべき事ではないか、と思います。
わたくしの様なぢぢいの音楽愛好家からすると、ストコフスキーの訃報に接したのは、つい先日(と云っても、ある程度の時間の経過は意識していますが)の様な気がしますが、実はもうじき40年も経過する事に愕然として仕舞いますね。訃報に接した時点から同じ年数だけ遡ると、昭和12年と云う年号に辿り着きますが、現在の20代の音楽愛好家にすると、ストコフスキーの没年と云うのはその位の古いお話、と云う訳で。

当時、音楽評論家が昔を振り返って、戦前のローゼンシュトック/N響の思い出とか、SPレコードの話をあれこれ書いていて、「そんな昔の事をあれこれ書かれても」と、当時のわたくしは思ったものですが、わたくしがストコフスキーの事をあれこれ書くのは、それと軌を一にしている、と云う事になりますねえ。嗚呼、なんてこったい(慨歎)。

幸い、ストコフスキー自身の(晩年の物、ではありますが)演奏もステレオで残されていますので、比較して聴くのもまた一興か、と思います。薄っぺらい古楽器系の音楽に比べて、豊潤で大管弦楽団の色彩感溢れる演奏が如何なるものか、その耳で確かめて頂きたい所ですね。

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