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2016年04月02日23:54

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新譜之雑談帖(その276)―キリル・コンドラシン録音集成(9CD)

さて。度々この日記で新譜を取り上げている、ヴェニアス・レーベルでありますが。先達て記したメンゲルベルクの録音集成の前に、旧ソビエトの指揮者(後に西側に亡命)であった、キリル・コンドラシンの録音集成を発売するとの告知が。確かに出ていた筈なのに、後日某親方之声、某塔音盤店の両サイトを検索してみても、全く引っ掛からず。

ううむ、アルツハイマーの前触れか、と些か恐怖を感じていた所(大袈裟)、再度コンドラシンの録音集成を発売する、との告知が挙がっていて、ああ、良かったと胸を撫で下ろした次第。只番号を見ると、コンドラシンの録音集成の方が番号が若い様なので、当初はこちらを先に発売する予定だったのでは、と思うのですが、何かの事情でメンゲルベルクを先に発売する事にしたものと推測されますが、それはまあさておき。

と申しましても、わたくしのコンドラシンに対する認識は、甚だ薄弱なものでありまして。自分の音盤目録を見ても、管弦楽曲では昔のRCAに録音した露西亜音楽集、協奏曲ではリヒテルと録音したリストのピアノ協奏曲、アルゲリッチと録音した(発売当初、大変に売れたと記憶する)チャイコフスキーのピアノ協奏曲、そしてバイエルン放送交響楽団の録音集成に含まれていた、フランクの交響曲、程度。

只、最初に挙げた、昔のRCAに録音した露西亜管弦楽曲集は、非常に色彩感に溢れた演奏でありまして。大袈裟に言えば、この一枚でわたくしの脳裏にコンドラシンと云う指揮者の名前が残っている、と云っても過言ではない程(少し大袈裟)。
かなり昔の話になるので、些か記憶があやふやなのですが、亡命してからあれこれ録音を西側のレーベルに残し、クーベリック退任後のバイエルン放送交響楽団の常任指揮者に就任する予定であったのが、その直前に急死してしまったのではなかったか、と。

亡命以前は、ソビエトの国営レコード会社であったメロディアに随分沢山の録音があった筈、なのですが現在は(矢張り亡命者の録音を発売するのは、矜持が許さないのか、或いは亡命当時に録音原盤を全部破棄でもしたのか)メロディアからの録音が発売はされていない様ですね。念の為、某親方之声のウェブ・サイトで検索を掛けてみましたが、引っ掛かって来るのは亡命後の録音、或いは亡命前に西側のオーケストラを指揮した実況録音(その殆どが協奏曲)の様でありますね。

と云う訳で、今回の録音集成はメロディア時代の録音も含んでいる点では貴重、と言えば記帳なのですが、このレーベルからのボックスとしては全9枚、とは随分小ぶりでありますね。或いは音源が十分に集められなかったのか、それともまだ続編があるのか。それともメンゲルベルクの40枚強の録音集成を出すので手が一杯だったのか。今後の動きを見たい所ではあります。確かメロディアには、チャイコフスキーの交響曲やショスタコーヴィチの交響曲の録音もある筈(確か全集になっていたか、と記憶しますが)なんですが、そちらは出さないんですかね。
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