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2015年12月08日00:38

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音楽之雑談帖(その49)―アーノンクールの引退

アーノンクールが引退を表明したそうです。まあ86歳ですから(ベームも引退を発表したのが86歳。尤もベームの場合は、87歳の誕生日である8月28日に、ザルツブルグ音楽祭で十八番のシューベルトの交響曲第八番『未完成』・第九番『グレート』を最後の演奏会にする、と表明したものの、その2週間前に脳卒中の発作に見舞われ、他界したのでありました)、引退しても可笑しくは無い年齢ではありますが。

<引用開始>

世界的指揮者アーノンクールさん引退 自筆でメッセージ

世界的指揮者のニコラウス・アーノンクールさんが5日、突然引退を表明した。86歳の誕生日の前日。病気のため指揮を交代したウィーン公演のプログラムに、聴衆への自筆メッセージを挟み込み、今後の演奏活動から退く意向を明らかにした。古楽奏法の大家で、とりわけモーツァルトやバッハの作品で数々の歴史的名演を残した。日本にも熱心なファンが多い。メッセージには「聴衆のみなさまへ。私の身体の力が及ばないため、今後の計画を断念いたします」「舞台上の私たちと、会場にいらっしゃるみなさまとの間には驚くべき深い関係が生まれました。私たちは幸せな発見共同体となったのです!」とあった。

ベルリン生まれ。1953年、妻のアリスさんと古楽器楽団「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」を旗揚げし、昨今の古楽ブームの先駆けに。日本にも同楽団やウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を率いて度々訪れた。来日公演は2010年が最後となった。

■アーノンクールさんの自筆メッセージ

親愛なる聴衆のみなさま。

私の身体の力が及ばないため、今後の計画を断念いたします。いま、大きな思いが湧き起こってきます。舞台上の私たちと、会場にいらっしゃるみなさまとの間には驚くべき深い関係が生まれました。私たちは幸せな発見共同体となったのです! この先も、その多くが残り続けるでしょう。今年のチクルスは、今までと同じく、私の意志通りに行われますので、みなさまの変わらないご支援をお願いいたします。

<引用終了>

出典Web:http://www.asahi.com/articles/ASHD64SB9HD6ULZU005.html

わたくしはアーノンクールの演奏は、生演奏ではその昔ヨーロッパ室内管弦楽団を指揮してベートーヴェン交響曲全集を録音した頃に、同じ顔ぶれで第九を聴いた事があります。刺激的で確かに、こうしたベートーヴェンもありで良いかな、と思いはしましたが何度も繰り返して聴いてみよう、とは思えませんでしたね。ましてや当時囃し立てられていた様な、新世紀のベートーヴェン像とはとてもとても。こんなのが21世紀のベートーヴェンなら、一度聴けば沢山、とも。

音盤では話題になったニューイヤー・コンサートの実況録音盤は蔵して居りますが、その他となりますとフランツ・シュミットのオラトリオ『七つの封印の書』だけですね。
しかしこれがまあ酷い出来で。その少し前に出た、ウェルザー=メストの録音がとても実況録音とは思えぬ程の、粗の無い緻密でいながら実況録音ならではの白熱した演奏であったのに対し、アーノンクールの演奏たるや悲惨の一文字。
天下のウィーン・フィルとの実況録音でありながら、ただただ鈍く、只スコアに書かれている音を鳴らしてみるのが精一杯と云う代物。尤もこの曲は大変な難曲であるのは良く知られている所、ではありまして。ザルツブルグ音楽祭でかのミトロプーロスがウィーン・フィルを指揮した実況盤が嘗て出ていました。が、かのプロコフィエフのピアノ協奏曲の引き振りをやってのける、鬼才ミトロプーロスを手腕を以てしても、そして1960年と云う、長年ウィーン音楽アカデミーの院長を務めていた、作曲家自身の薫陶を受けたであろう団員が未だ残っていたであろう、当時のウィーン・フィルを以てしても、技術的な点ではミスが多発する、総統悲惨な出来栄え。これはまあ実況録音なので、止むを得ない所でありますが。

しかしそのミトロプーロスの演奏と比較しても、アーノンクールがスコアから一歩も踏み出せていないのが明白。僅かに優れているのは録音のみ。大体この指揮者、モダン・オーケストラを指揮する指揮者であれば、今や標準的レパートリーとなっている感のある、マーラーやストラヴヴィンスキー、なんて辺りの録音が無いのも、所詮は力量を備えていないのでありましょう。こ奴がそのモーツァルトの録音をけちょんけちょんに貶した、大先輩ベームだってNHKの招待で来日した際には、『火の鳥』を演奏したり、ベルクのオペラの録音を残している、と云うのに。
正直、「この程度の力量しかねえ癖して、何を偉ソウナ御託ばっか並べてやがるんダ、コイツハ。金カエセ、バカヤロー」と思ったものです。これ以降、わたくしはアーノンクールの演奏を聴く気持ちが失せました。

と云う訳で、個人的にはいてもいなくてもどうでも良い、まあこれまたわたくしの大嫌いな嘘吐き某ノ○ン○ンより、余計な事をほざかぬだけマシか、と云う所でありまして。尤も最近、ベートーヴェンの第五交響曲でまたまた胡散臭げな寝言、と云うか戯言をほざいている様でありますが、まあ引退しちまうならこれ以上戯言や寝言の類を耳にしなくて良い訳で。

まあ御好きな方も居られるでしょうから、とっとと(以下自粛)と迄は思いませんが、引退するのならこれ以上世迷い言を並べてくれるな、というのが偽らざる思いでありますね。
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