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2015年11月30日23:58

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点鬼簿之雑談帖(その57)―水木しげる氏の訃報

『ゲゲゲの鬼太郎』で御馴染みの漫画家、水木しげる氏が御他界されました。享年93との事ですので、天寿を全うされてと云う言い方が当てはまる、とは思いますが、つい最近までビッグコミック(だったかな)に連載を持って居られたので(頁数は左程量のあるものではありませんでしたが)、終世現役であった訳でして。ある意味羨ましい存在でありました。

手塚治虫、石ノ森章太郎、赤塚不二夫と云った、わたくしが餓鬼んちょの頃その作品を夢中になって呼んでいた漫画家は、比較的早くに他界されて仕舞ったのに対して、水木氏は前述の様に、つい最近まで現役として活動されて居られました。わたくしは後年、テレビ漫画化された『ゲゲゲの鬼太郎』は、最初の白黒作品は大好きでしたが、カラー化された作品は、段々水木さんの当初の作品世界から逸脱していく様で、どうも好きになれませんでした。

わたくしが好きだったのは、最初に少年マガジンに連載されていた頃の作品、でしたね。子供向けのストーリー展開と、それでも色濃く残る水木作品(貸本屋時代、或いはそれよりもっと前の紙芝居時代の、どろどろした世界)のバランスが丁度良く取れて居たのでは、と思います。

後に貸本屋時代の『墓場鬼太郎』が何処かの文庫に収録された際に、読んだ事がありますが、後年の作品に比べて絵柄が些か稚拙の感を免れ得ない(個人的には)のが、玉に瑕でありましたね。尤も鬼太郎誕生の御話はその稚拙さがプラスに働いて、より一層おどろおどろしい世界が展開されていて、それはそれで味わいがありましたが。

尤も某新聞記事は、水木さんが良く物した戦争体験記だけを矢鱈に紹介しておりまして、些か鼻白む思い。元凶には何も言わない癖に、対抗措置としての最低限の国内法整備には、無闇矢鱈と噛み付き、ありもしないレッテルを張り付け、廻し者ぶりを遺憾なく発揮している新聞でありますから、そんな捉え方しかできないのでありましょう。

人間界から魑魅魍魎の住む、妖怪の世界へ旅立ったのだ、と云う評し方もある様ですが、矢張り御他界の報は寂しいものがあります。
謹んで故人の御冥福を御祈り申し上げると共に、これ迄産み出された数々の魅力的な作品に、深く感謝の意を捧げたく思う次第です。


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