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2015年10月31日11:36

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秋の形見-新勅撰

後京極摂政、百首歌よませ侍けるに        小侍従

(356)をきてゆくあきのかたみやこれならん見るもあだなるつゆのしらたま

【通釈】
置いてゆく秋の形見はこれであろう。見るにつけてもはかない露の白玉であることよ。

神作光一・長谷川哲夫『新勅撰和歌集全釈(二)』(風間書房・1998年)

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先週(10月25日)、北海道の札幌などでは初雪が降ったとのこと。
同じ頃、関東では木枯らし1号が吹いていた。
そろそろ冬の到来かと思い、旧暦を調べてみた。
今日は、旧暦では9月(長月)の19日にあたるのだとか。
晩秋ということか。

勅撰集の中の晩秋の歌というと、紅葉を詠ったものが多い。
関東でも奥多摩あたりでは、紅葉が見ごろとなっているようだ。
しかし、ここのところ慌しく、身近に紅葉を楽しむ時間もとれずにいる。

紅葉以外で晩秋の題となっているものを探していたら、露があった。
僕の日常では、草葉にしたたる露に目を留めることも稀になっている。
露がつく場所と言えば、車の窓ガラスが思い浮かぶくらいだ。
露の「はかなさ」に思い至るようなこともあまりない。

晩秋を送り、冬を迎えようという時候に、そんなことを考えた。

詠者の小侍従は、二条天皇と高倉天皇に出仕し、後鳥羽院歌壇でも活躍した平安後期から鎌倉初期にかけての女流歌人とのこと。勅撰集に16首が入集。


■札幌で初雪 (25日未明)
(日本気象協会 - 10月25日 01:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=174&from=diary&id=3679647
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