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2015年10月29日01:09

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新譜之雑談帖(その238)―Hans Schmidt-Isserstedt The Collection (30 CD)

さて。ほぼ毎月の様に、往年の演奏家(此処の所は専ら指揮者の様ですが)の録音集成を出しているヴェニアス・レーベル。最初の頃のビーチャム、ケンペ、ベーム辺りが纏められている頃は、左程驚かなかったのですが、個人的にはモントゥーの録音集成を出した辺りから(実際に購入するかは別にして)そのラインナップには毎回驚かされるばかり。モントゥーの後、クリュイタンス(パート2)、アンチェル、マルケヴィッチと来て今回ヴェニアスの告知に名前が登場したのは、ハンス・シュミット=イッセルシュテット。今回もまたまた腰を抜かさんばかりに魂消たのでありますが、少し訳がありまして。

と申しますのは。大分以前に購入して、ちょいちょいと摘まみ食い的に聴き散らしたものの、きちんと聴いていなかった、この指揮者のベートーヴェン録音集成(デッカに録音されたウィーン・フィルとの交響曲全集、バックハウスをソリストにしたピアノ協奏曲全集、旧フィリップスに録音された、シェリングをソリストに立ててロンドン交響楽団とのヴァイオリン協奏曲)をずっと聴いていたから、なのでありますね。
独断と偏見で申し上げれば、発売された当時は兎も角、現在の視点からするとデッカの録音は、本来のウィーン・フィルの音色の特徴を十全に伝えて居なかったのではないか、と云う思いが。また、イッセルシュテットのベートーヴェン演奏としても、此処で収められている旧フィリップスへの録音の方が、特徴を良く伝えているのではないか、と思ったのですが、それはさておき(バックハウスについては、五曲の協奏曲のうち、番号の若いもの程出来が良い様な気が)。

ううむ、デッカが良くあのベートーヴェン交響曲・ピアノ協奏曲全集の発売を許したなあ、と思いきや、今回ヴェニアスで纏めた録音は、1950年〜1964年迄の物との事。ピアノ協奏曲の録音は、この期間に含まれてはいますが(ある意味当然の事ながら)ヴェニアスの録音集成には含まれてはおりませなんだ。
わたくし、イッセルシュテットの録音に関しては余り知る所がなく、今は亡きターラ・レーベルからかなりの数の実況録音盤が出ていたけれど、それを除くとブラームスの交響曲全集、ヴァイオリン協奏曲、そして戦前クーレンカンプをソリストに立てた、一連のヴァイオリン協奏曲くらいしかないのでは、と思っていたのですが、こは如何に。

バッハのロ短調ミサ曲(これはターラで発売されたものと同じ録音の様ですね)を始めとして、ヘンデルのメサイアはあるわ、ハイドンの交響曲はあるわ、モーツァルトの交響曲はあるわ、チャイコフスキーの後期三大交響曲はあるわ、ヴェルディのレクイエムはあるわで、イッセルシュテットに対する認識が360度(ガッツ石松風)、じゃなかった、180度と迄は申しませんが大きく変わった次第。こうしてみると(わたくしが無知蒙昧ー毎度の事ながらーなだけなのでせうが)随分レパートリーは広かったのですね。

しかし、実際に購入するか否か、という事になりますと、逡巡するものが。先ずイッセルシュテットと云う指揮者が、わたくしの御贔屓指揮者と称する迄には至らない事。次に予算的問題。そしてこうも何十枚に及ぶCDボックスを次から次へと買い込んで、如何に聴き通す時間を確保すべきであるか。
モントゥーのボックスは先達て漸く全CDを聴き通しましたが、実はソニー・クラシカルから出た録音集成は大半が未聴のまま。
更にマルケヴィッチ、マルティノン、コリンズ(これは現在途中迄)等々、ここ暫くの間に買い込んで、ろくすっぽ聴いていないボックスが山積み。しかし、この機を逃すとイッセルシュテットの(わたくしにとっての)未知の録音を入手する機会が遠のいて仕舞う、と云う思いも(ある意味困った事に)沸々と胸に湧いてくる次第(殆ど病気、ですね)。さあて、どうしましょうか。
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