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2015年10月25日01:26

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新譜之雑談帖(その237)―クナッパーツブッシュのワーグナー『ローエングリン』全曲盤(1963年)

先月の下旬に、此処でクナッパーツブッシュ/バイロイト祝祭管弦楽団による、『ニュルンベルグのマイスタージンガー』の1960年の公演の実況録音盤が発売される、と云う話題を取り上げました。月が変わったら、またも同じオルフェオから、これ迄クナッパーツブッシュの公になった録音には含まれていなかった、『ローエングリン』の全曲盤が発売される、との告知が。うへえ。

先にも記しました様に、わたくしはワーグナーの歌劇・楽劇に関しましては、余り強い関心を抱く者ではないのでありまして。一応全曲盤は、何時か聴く事もあろうか、とベームの『指輪』を中心にした、旧フィリップスのバイロイト実況録音盤を中心に纏めた、デッカの録音集、如何なる事情があったのか、旧フィリップスには収録されなかった、『指輪』と同時期のバイロイト公演の実況録音である、ベームの『ニュルンベルグのマイスタージンガ―』全曲盤、そして先達ても記したクナッパーツブッシュの一連の録音等々、一通りは持っていますが99%「積んどく盤」でありまして。

只、『ローエングリン』に関しましては、ケンペ/ウィーン・フィル(旧EMI録音)の全曲盤を持っていて、これは(ある意味うっかり)第三幕を聴き通して、大いに気に入った記憶が。より正確に申しますと、大いに気に入ったのは良いけれど、本腰を入れてワーグナーを聴き出すと、只でさえ収拾は付かなくなりつつある音盤道楽が、また一段と悪化する事が自明であったので、敬して遠ざける事としたのでありますね。ワーグナーのオペラ・楽劇の全曲盤迄、あれこれ集め出した日には、スペースと購入資金の聴取時間の確保で、飛んでも無い事になる、位の判断能力は(未だ辛うじて)残っていますので……

しかしこの『ローエングリン』は、大いに気になる所でありますね。わたくしはワーグナーの作品ならば、後の楽劇よりも歌劇の方が、未だ好みに合っているのでありまして。ワーグナー演奏に関しては、存命中は他の追随を許さなかったクナッパーツブッシュの、これ迄知られていなかった全曲盤となると、音盤道楽の血が疼く物が。ううむ、どうしてくれよう(単なるおバカ)。

しかしこれで、クナッパーツブッシュが録音を残していないワーグナーの歌劇・楽劇は(『彷徨える阿蘭陀人』以降の作品では)『タンホイザー』だけ、と云う事になった訳でして。わたくしはオペラ指揮者クナッパーツブッシュの、左程熱心なファンではありませんが、オペラ指揮者としてのクナッパーツブッシュを御贔屓にしている愛好家の方々からすると、これは天下の一大事的なニュースでありましょうね。毎度の事ながら、有難い時代になったものです。
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