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2015年10月21日00:41

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新譜之雑談帖(その235)―ヘルマン・シェルヘン/ウエストミンスター録音集成(27CD)

ヘルマン・シェルヘンと云う指揮者は、1990年代半ばにルガノ放送交響楽団とのベートーヴェン・ツィクルス全集が出て以来、爆演指揮者として一躍人気指揮者となった印象があります。嘗てウエストミンスター・レーベルのオリジナル・テープが再発見され、主として室内楽のCD発売が決まった時に、欧州の音楽愛好家からは「ウエストミンスターの録音ならば、シェルヘンの録音」と云う声があって、おやと思った記憶が。

昔々、LP時代の1970年代後半、ウエストミンスターの録音が当時の東芝EMIから纏まって再発された時も、最初に発売されたのは室内楽の録音(その後に不滅の名盤的存在のクナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルのブルックナー第八交響曲等が再発された訳でありますが)で、シェルヘンの録音は再発されなかった様な記憶が。

この程、某スクリベンダムからシェルヘンがウエストミンスター・レーベルに残した録音集成が発売される、との告知が。ううむ、時代は変わったのでありますね。

只、わたくし個人は、余りシェルヘンの演奏は好みでありませんで。尤もちゃんと音盤を購入して聴きこんだのではなく、音盤店の店頭試聴でちょこっと聴いた程度なので、実は的外れなのかもしれませんが、どうも仕上げが雑の様な。また、その演奏も色々考え抜かれての産物、と云うよりは(悪く言えば)思い付きのそれこそその時の気の向くままの演奏との印象が拭いきれないのでありますね。

そう云う点からすると、スタジオ録音で、後世に残すと云う目的の基、残されたウエストミンスターの録音に耳を傾けるべきなのかも知れません。とはいうものの、左程強い関心を抱いていない指揮者のCDボックス・セット(27枚組)を購入する、と云うもは些か逡巡せざるを得ないものが。

しかし、当時のウエストミンスターは太っ腹だったのか。それともシェルヘンのギャラが安かったのか。随分色々な曲目を録音したものでありますね。この他にも、確かロジンスキーも、随分沢山の録音をウエストミンスターに残していた記憶がありますが(わたくしが蔵しているのは、ロイヤル・フィルと録音した、ショスタコーヴィッチの第五交響曲だけ、ではありますが)検索を掛けてみると、今は大半がまたまたお蔵入りの様で。

となると、次はロジンスキーの録音が出て来るのでありましょうか。スクリベンダムが出すのか、それとも最近新たに色々な指揮者の録音を出しつつある、ヴェニアスが出すのでしょうか。勝手な妄想を膨らませていますが、それでも中々手に入れる事が困難だった演奏家の録音を、纏めて入手が出来る様になったのは、良い時代になったものです。

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