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2015年10月17日23:48

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点鬼簿之雑談帖(その52)―熊倉一雄氏の訃報

近年はデヴィッド・スーシェ演じる、エルキュール・ポワロの吹替えで知られていた、熊倉一雄さんの訃報が伝えられました。わたくしが子供の頃から慣れ親しんだ、あの謦咳にもう触れられないとは残念でありますね。

<引用開始>

熊倉一雄さん死去 「ひょうたん島」トラヒゲの声も

テレビ人形劇「ひょっこりひょうたん島」のトラヒゲ役の声で親しまれた俳優・演出家の熊倉一雄(くまくら・かずお)さんが12日、直腸がんのため東京都内の病院で死去した。88歳だった。葬儀は親族で行う。喪主は妻正子さん。12月1日午後2時から東京都渋谷区東3の18の3の恵比寿・エコー劇場でお別れ会を予定している。今月16日開幕の舞台「諸国を遍歴する二人の騎士の物語―ドン・キホーテより―」(28日まで)に出演予定だったが、体調不良で降板していた。

27年、東京生まれ。旧制都立高等学校在学中に演劇を始め、49年には小劇団の「感覚座」結成に参加。56年、劇団「テアトル・エコー」に入団。劇団代表をつとめる。演出家としても活躍。テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」(第1作)では主題歌を歌い、ヒットした。69年に故・井上ひさしさん出世作の戯曲「日本人のへそ」で主演と演出を務めたのを皮切りに、70年代にかけて井上さんとコンビを組み、「十一ぴきのネコ」など6本の作品の演出をした。01年にはチェーホフ原作の「くしゃみ」の演出も手掛けた。

おどけた中にも哀愁のある声で、声優として人気が出た。「ひょっこりひょうたん島」での海賊トラヒゲのほかに、「名探偵ポワロ」のポワロ、「ネコジャラ市の11人」でのガンバルニャン役などの声優をつとめた。98年、勲四等旭日小綬章を受章。最後の舞台は14年11月の「遭難姉妹と毒キノコ」だった。

<引用終了>

出典Web:http://www.asahi.com/articles/ASHBJ71YHHBJUCLV015.html

わたくしがテレビを通じて、初めて熊倉さんの謦咳に接したのは、昔々のヒッチコック劇場のヒッチコックの声の吹替え、でありました。わたくしの両親はスリラー物が好きで、ヒッチコック劇場を良くみていました。当時としては子供の起きている時間(未だ幼稚園に上がる前、でしたが)である、夜の10時過ぎの放映でありまして。一度駄々をこねて(親が面白がって見ていたので、どんなものか見たかったのでしょうね)、見せて貰ったらまあこれが怖いのなんの。どんなお話だったかは、忘却の彼方でありますが、兎に角恐ろしくで泣き叫んだ記憶が。それ以来、あの声は恐ろしいおじさんの声、としてわたくしの脳裏に刻み込まれたのでありました。

後に記事にもある、「ひょっこりひょうたん島」の海賊トラヒゲ、同じ某国営放送の「ものしり博士」に出て来る、ケペル先生の声で恐怖感を抱く事は無くなりましたが、それ以来の長きに亘る(テレビを通じての)御馴染みの声でありました。

個人的な接点は無論ありませんでしたが、だいぶ昔わたくしの知り合いの一人に、演劇志望の人がテアトル・エコーの研究生に応募した事がありまして。後日その折の話を聞いたところ、面接があって面接官の一人に熊倉さんが居られたそうです。当然志望動機やら何やら色々聞かれたそうですが、「NHKのポワロは欠かさず観てます」と言ったら、熊倉さんが恥ずかしそうに下を向いて仕舞った、と教えてくれました。

長年聴き慣れたあの声が、もう聞けないのは(再放送等を除くと)寂しい限りでありますね。謹んで故人の御冥福をお祈り申し上げたく思う次第です。
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