1025:秋萩の枝もとををにおく露のけさ消えぬとも色に出でめや
1026:秋風に乱れてものは思へども萩の下葉の色は変らず
1027:わが恋は今は色にや出でなまし軒のしのぶももみぢしにけり
いずれも「新古今和歌集」の巻第十一「恋歌一」より
1025の「とをを」というのは「たわわ」と同じで、「萩の枝もたわむほどに置く露」との意。
1026も1025と同様に表に出さない「忍ぶ恋」を歌っている。ここで忍ぶ恋というのは、世間の目を忍ぶだけでなく、意中の相手にすら気づかれぬように忍ぶような恋だ。
ところで、どうして忍ぶ恋が秋と結びつけられるのか、あんまり忍ぶ恋をしたことのない僕には(笑)、ちょっと分からなかった。
1027を読んでみて、紅葉が、隠しても隠しきれない恋を忍ぶ心を連想させるのだろうかと考えた。
いずれ、調べてみよう。
解釈にあたっては、久保田淳の訳注による角川ソフィア文庫版と石田吉貞による「全注解」(有精堂)を参考にした。
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