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2015年10月03日23:58

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新譜之雑談帖(その230)―ラドゥ・ルプー/デッカ録音集成(23CD)

ラドゥ・ルプーは、わたくしの御贔屓ピアニストの一人、でありまして。生年が1945年と云う事ですから今年で70歳。今や巨匠、と呼ばれるに相応しい年齢(尤も年齢だけで、巨匠になれるわけではありませんが)でありますが、余り録音が好きではないのか、新譜(新録音)のニュースに触れる機会がない様に思います。

ルプーは(わたくしが知る範囲では)録音歴を見ると、デッカ専属と云う事になる様ですが、この程デッカへの録音集成が発売されるとの告知が。おお。

わたくしはこのピアニストのシューベルト演奏が好きで、以前デッカから発売された、シューベルト録音集成を蔵して居ります。只、今回の録音集成をみておやと思ったのは、纏まった録音―全集的な意味合いで―となると、ベートーヴェンの協奏曲全集くらいなのでありますね。無論全集を拵えるだけがそのピアニストの良し悪しを決めるものではありませんし、自身の十八番としている曲だけ録音する、と云う姿勢に何か問題がある訳でもありませんが。

個人的には、このピアニスト程の力量があれば、またシューベルトの器楽曲や昔から名盤としての評価が高い(コンスタントに再発されている所からして)シューマン・グリーグのピアノ協奏曲で発揮されている(昔からよく言われる卓越した叙情性からすると)もっと色々な曲の録音が為されて然るべき、と云う思いを禁じ得ないのでありますね(表現が大時代)。シューベルトもCDにして4枚、というのは(演奏のクオリティからすると)少ない気がするし、モーツァルトやショパン、或いはシューマンといった辺りの録音も是非耳にしたい様に思います。

今回纏められた集成の録音年を見ると、何れも前世紀の録音でありまして、今世紀に入ってからの録音はない様ですね。冒頭で申し上げた様に、或いは録音に対して消極的な立場の結果か、とは思いますが個人的には勿体無いと云う気がします。昨今はレコード会社に往年の様な力がないので、録音に慎重な(或いは消極的な)演奏家を説得して(それこそ札束で横っ面をひっぱたく様な事はして貰いたくありませんが)、録音に取り組ませる事も難しいとは思いますが、何とかして貰えないものでしょうか。

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