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2015年09月06日02:08

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『懲罰大陸★USA』

懲罰大陸★USA

 無修正ポルノが当たり前にみられるアメリカでも裏ビデオがあるという記事を昔読んだことがある。
何かと思ったらスナッフフィルムだという話で驚くやらがっかりする(笑)やらだったが、どこの国にも封印された映像作品がある。
それこそタブーに触れたからに他ならない。

 40年以上前に作られたフェイク・ドキュメンタリーが日本初公開。
制作された1970年当時といえば、アメリカの黒歴史ともいえるベトナム戦争が泥沼化し、アメリカの幻想が崩れ去った時代でもあったろう。
まさにアメリカの仮面が剥ぎ取られた作品で、どれほど影響があるかはアメリカで今なお封印扱いされているということからもわかる。

 犯罪者を簡易裁判(というか相当いい加減な裁判)で監獄か“懲罰公園”に行くかを選択させる。
「懲罰公園に行く」というのは、乾燥した荒野でタイムリミットまでに山頂の旗を取ること。
ハンデとして時間差の猶予が与えられていて無事旗を取れたら無罪放免となるのだが、間に合わないと警官に狩られてしまうのだ。これをヨーロッパのTVクルーが密着撮影するという形態をとっている。

 今ではPOV形式は珍しくないし、うっかり犯罪を撮ってしまったみたいなヤラセもあるけど、当時公開されていたら相当インパクトがあったのじゃないか?
もしかしたら本気で信じ込んでしまう人さえいたかもしれない。
それくらいリアリティを感じさせるフィルムで、なおかつ出演者がほとんど素人だというのだから驚き。

 実は鑑賞中に、ある記憶がよぎった。
池上遼一、小池一夫のコンビで描かれた劇画である
具体的にどの作品というわけじゃなく、もしかしたら作画担当が違ったかもしれないが、あの頃の空気や能書き垂れて<人を試す>という感じが似ている。

 “フェイク”のアメリカが描かれているのに今でも通じるのは、現実に権力者による横暴が“フェイク”じゃないからである。
胸糞悪くなること請け合いの映画だが、現実はその上を行く。
本当にお仕置きしなければならないのは誰なのか。
受刑者たちの叫びが脳裏に突き刺さる。

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