『
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
別冊少年マガジンで連載中の諫山創による人気コミックの実写映画化。
原作コミックは最初の数巻を読んだが、随分前だしかなり忘れているかも…。
映画は原作と乖離しているというので、かえって良かったかな…と思いながらの鑑賞。
しかし前後編になると聞いたので、てっきり前編だけでも2時間越えかと思ったら100分を切っている…、それなら多少長くても1本にまとめても良かったのでは…?
おそらくこれが本格的な脚本家としての仕事になったであろう映画評論家・町山智浩。
クレジットにはもう一人、実写映画版『GANTZ』を手がけた渡辺雄介の名もあるが、役割分担が気になるところ。
監督は特撮の世界で有名な樋口真嗣。
技術畑出身だけあり、さすがに特撮シーンは“怪獣映画”的な迫力を持たせていたと思うが、いかんせん脚本・演出・編集が弱く感じる。
彼が参加した全作品を見ているワケではないが、感触としてこれまでの作品で近いのは『巨神兵東京に現わる』だろうか。その意味では庵野秀明が監督していたら…と。いや、
当初の中島哲也が監督だったらどうだったろうかと思わずにいられない。
公開直前に町山自身がラジオ番組で予防線を張っていたり、某有名評論家の低評価に樋口監督の炎上発言があったり、オマケに封切り直後に特殊造形プロデューサー西村喜廣のツイートなどからも正直落胆の色は隠せない。(内容とは別次元のことで…)
なんでも某評論家は、理由は不明だがこの映画のマスコミ試写出入り禁止だったそうで、それにもかかわらず公開前にレビューをアップしていた。
樋口監督にしてみれば「試写状も送ってないから、公開前にレビューを書かれる心配はない」と“塀の中”で安心していたのか?それを思いもよらない(?)手法で、塀の向こうから覗きこまれた…。っていう映画そのもの筋書きだったら面白いのだけど。(笑)
とりあえず場外の話題はさておき、巨人たちの不気味さは原作譲りだが、どうにもコミカル見える瞬間がある。
恐怖と笑いは紙一重のところにあるので、狙いなのかもしれない。
個人的に躓いたのは冒頭のエピソードだと感じている。
舞台を日本に置き換えたことや登場人物の性格変更ではなく…。
エレンの動機付けも弱くて浅く感じる。
また、絶望的な状況であるにも関わらず、次元の低いことでいざこざを起こす兵士たち。
漫画やアニメなら通用しても実写には合わないこともあると思うのだが…。
そんな中で、
発見はハンジ役の<石原さとみ>。
彼女の代表作になるかどうかは分からないが、
本作での最大の功績は彼女だと確信する。
さて、謎だらけのお話を次回でどのような決着をつけるのか、手腕に期待したい。
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