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2015年08月02日01:38

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ナショナル・シアター・ライブ『ザ・オーディエンス』

ナショナル・シアター・ライブ2015、『ザ・オーディエンス』

 『The Audience』なんだから、カタカナに変換するなら『ジ・オーディエンス』と書くべきなんじゃないかとかいうのは気にしすぎか?(笑)
見逃していた2015年シリーズの作品がシネ・リーブル池袋でアンコール上映になったので足を運ぶ。(本当は体力的にも別の日が良かったのかもしれないが、スケジュールの都合もあるので…。)あせあせ

 さて、映画『クィーン』に続いてエリザベス女王をヘレン・ミレンが演じる。
オーディエンスとは、週に一度首相と“謁見”する様子のことらしい。
もちろん観客席に向かって語っているという意味合いもあるだろう。

 脚本は映画『クィーン』と同じピーター・モーガンなので手慣れた題材。
英国王室の謁見の間の座面が黄色い布張りの椅子は、色褪せると張り替えるらしい。
王室に生まれて人生の選択肢がなかったエリザベス2世が、椅子を張り替えがごとく目まぐるしく変わる歴代首相たちとの謁見の中で、過去の経緯や彼女の孤独をユーモアを交えて語られる。

 当然のことながら英国近代史と重なるエピソードが多いので、大まかな歴史だけでも知っていると理解はスムーズに行くだろう。(その時代の新聞やニュースを見ていればOK程度だと思う。)

 若き即位時代から現在までの女王の姿をヘレンが演じる。
さすがに映画では難しいだろうが、舞台ではウィッグや衣装の力もあり、シルエットと所作だけで演じ分けているのは見事というほかない。
舞台の奥行きを時間軸として活用している面白さや、舞台での早替えも特筆もの。

 英国らしい意地の悪いユーモアと真面目なシーンの起伏は脚本の妙味を感じる。

 実際よりもかなりカリカチュアされた人物もいそうだが、生きていたらサッチャー元首相には是非とも舞台の感想を聞いてみたかったところ。(笑)

 しかし、改めて彼女の時代の英国の変遷や影響力はとてつもなかったのだと思わされる。
今後、これだけの波瀾万丈の時代を過ごす人物は出ないのではないか。

フォト


 余談だが、首相らは誰一人としてレジメンタル(ストライプ柄)をしていないのは、さすがだと思った。
レジメンタルには特殊な意味合いがあるので、英国の政治家は公式の席ではあまりしないという話を聞いたことがある。(諸説あるが、ネットで調べると中々興味深い話が出てくる。)
舞台で使用していたのは無地かドットが多かったように記憶している。

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