mixiユーザー(id:5087127)

2015年06月05日23:58

246 view

新譜之雑談帖(その202)―フィリッチャイ・DG録音集成Vol.2(オペラ・声楽曲編、37CD)

フリッチャイと云う指揮者は、49歳の若さで没したのが1963年の事。没してからでも既に半世紀以上の年月が流れているのですが、モノラルLPからステレオ初期に掛けて、今ではちょっと信じられない量の録音を残して居りまして。また、今でも残された録音を求める愛好家が多いと見えて、10年以上に前にフリッチャイ・コレクションと云う、CD9枚組のセットがDGより発売された事が。これにはフリッチャイのインタビューが収録されている、と云うのでそういう録音に眼のないわたくしは早速買い込んだ記憶が。

わたくしは実はフィリッチャイと云う指揮者を、それ程御贔屓にしては居らないのが正直な所。これはフリッチャイの演奏が嫌いだ、性に合わないと云う訳ではなくで、調子に乗ってフリッチャイに迄手を出していたら、更なる泥沼に嵌り込んで、収拾が更に付かなくなるだろう、と云う自覚があるからでありまして。
長い間、国内盤でしか発売されて居らず、先程名前を挙げたフリッチャイ・コレクションで海外盤としては初めて陽の目を見た、有名なチャイコフスキーの悲愴交響曲や、コルトーと組んだシューマンのピアノ協奏曲(これは伝説的名演と呼んで差し支えない演奏、とわたくしは思っていますが)と合わせて収録されていた、同じチャイコフスキーの第五交響曲と云った辺りは、個人的にはフリッチャイの恐るべき指揮者としての実力を、十全に発揮した演奏と思って居ります。

さて、そんなフリッチャイが残したオペラや声楽曲の録音集成がDGから発売されるとの告知が。見るとLPの揺籃期と重なった事もあってか、イタリア・オペラをドイツ語で歌ったアリア集があったりして、中々面白いものがあります。些か驚いたのは、ハイドンのオラトリオ『四季』とモノラルとステレオの2回録音している事。『四季』は大曲でありますが、そうポンポン売れるアイテムではあるまいと思います。それを2回も録音しているとは。

フリッチャイのモノラル録音が非常に評判が良かったからなのか、或いはフリッチャイがこの曲を十八番にしていたからなのか。フリッチャイと云う指揮者に就いて知る所の少ないわたくしにはその間の事情は良く解りませんが(ギャラが安かった、としても今でも続々と新録音が出る曲ではない様ですし)、中々興味深い所。

わたくしはフリッチャイに対して知る所が少ない人間ですので、敢えて買い込んで、とは思いませんが、ファンでしたらきっと随喜の涙を流すセットなのだろうな、と思います。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する