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2015年05月22日01:26

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『ゼロの未来』

ゼロの未来

 コンピューターに支配された未来。
カオスの街で人々はコマのように黙々と仕事をこなす。
…と書くと、何一つ目新しい感じはない映像が思い浮かぶ。
『未来世紀ブラジル』のテリー・ギリアム監督らしい世界観といえば“らしい”ので期待するファンは多いだろう。

 廃墟となった教会を住居と仕事場にして住む天才プログラマー<コーエン>。
生きる意味の答えを与えてくれる電話を待ちながら雇い主の仕事をこなす日々。
ある日、超難問の<ゼロの定義>解明を課題とされる。

 どこで評価するかで別れるかな?
<ゼロの定義>はじめ、謎が多い割に置き去りになっているために「面白くない」という人もいるだろうが、最初からギリアム・ワールドのヴィジュアルを楽しみにしていたのならそれなりに期待には応えている気もする。

 レトロとハイテクが融合したような住居や秋葉原からインスパイアされたという混沌とした街並みはいかにもギリアム好みといえよう。
管理社会や自由のない窮屈な世界はイヤでもギリアムの過去の『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』といった作品群とつながる。
ギリアム自身が「教会は信仰とシステムのメタファー」と語るように、各所に暗喩が見られる。
監視カメラの取り付け位置などもその一つだろう。(いったい“誰”が監視しているのか。)

 謎が解読されないのは、それ自体がナンセンスだという意味合いを持ち、人として大事なことは他にある…という提言なんだろう。
つまりはつながるべきは機械じゃないということか。揺れるハート

 ヴィジュアルの力強さや魅力はギリアム健在を思わせる。が、ドラマ面にもう少し吸引力が欲しかった。
(禁止マーク自体が<×印>になっているお遊びなどは面白い)
怪優クリストフ・ヴァルツのキャスティングも十分魅力を発揮出来たかどうか疑問を抱く。
ジョビーかマネジメント役だったら良かったような…。うまい!

 そんな中、青年ボブを演じたルーカス・ヘッジズは生きの良さを感じさせた。

フォト


(ティルダ・スウィントンも怪演?)www

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