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2015年05月21日01:23

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『駆込み女と駆出し男』

駆込み女と駆出し男

 江戸時代の離婚制度で、女性から行動を起こすには死別か縁切寺くらいしかなかったというのは歴史の時間に教わった気もするが、この映画に描かれるほどの詳細は知らなかった。

 井上ひさしの『東慶寺花だより』をベースに、時代劇初監督の原田眞人が人情交えてぐさりと社会を風刺する。
<女性の地位の低さ、出版の検閲、権力者の傲慢>など現在にも通用するテーマが内包される。

 縁切り寺に駆け込んだ後の手順解説などはハウ・トゥー的説明であるのだが、面白くてつい身を乗り出す。

 芸達者なキャストが揃うので、安心して劇を楽しめる。
セリフの聞き取りにくい箇所もあるが、意味よりもリズムを優先したのだろう。
143分と長めの尺だが、飽きることなく進行する。
むしろ、前半のゆったりした流れからいえば、もっと長くてもいいくらい。
(終盤、いささか駆け足にも…?)

 原田眞人監督らしいと思うのは、スクリーンを大きく使おうとしている点。
東慶寺のスケール感だけで説得力は増すというもの。
場面転換で挿入される<点景>の美しさも原田監督らしい演出。

 江戸の風俗も見ごたえあるし、問題点を人間味で解決している点も溜飲が下がるところ。
不勉強だが少し気になったのは<日傘>。あんな作りの日傘はあったのだろうか?

 とりわけ戸田恵梨香がステキ。
願わくば原作者の感想が聞きたかった…と思うのは私だけではないだろう。

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