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2015年05月11日02:08

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『百日紅 Miss HOKUSAI』

百日紅 Miss HOKUSAI

 若くして亡くなった漫画家・杉浦日向子の代表作の一つ『百日紅』のアニメ化。
監督を手がけるのは原恵一。どちらも個性的な作家だからこそなしえた作品なのか。

 モデルとなるのは、かの有名な浮世絵師・葛飾北斎の三女・お栄、父と共に絵師として暮らす。
北斎は、いまさら言うまでもなく世界的に知られているが、娘や家族のことまでは知らなかった。
ここには(おそらく)あまり知られていない北斎と家族の姿を見て取ることができる。
もっとも娘のことは不明な点もあるというので、実在の人物を使ったフィクションと見てもいいのだろう。

 オムニバス風にエピソードを重ね綴られる中、江戸時代の生活と絵師の仕事の裏側が興味深く映し出される。
時代考証家としても知られる杉浦日向子ならではだろう。
北斎を描いた映画は過去にもあるし、その性格などはそれとなく知っていたが、娘が「俺女」とは…。(笑)
離れて暮らす妹のお猶のエピソードが奥行きを与えていたように思う。

 また、絵の持つ不思議な力や芸術家の小難しさには杉浦が<漫画家>という職業だったことも関係しているのではないか。
タイトルに『百日紅』を選んだのは、<サルでも滑り落ちそうな木>ということから、つかめそうでつかめない芸術の奥深さに例えたのではないだろうか。

 『攻殻機動隊』等で知られるProduction I.Gがアニメーション制作を担当し、原色を極力排除して日本の伝統的色彩を心掛けた繊細さをも感じさせる。
一人づつ肌の色を微妙に変えたり、同じ人物でも化粧の具合でさらに変えるなど手の込んだ彩色が見られる。

 アニメにあって原作漫画にないもの…、それは(動きもあるが、)音。
これだけ江戸時代を意識した作りにもかかわらず、BGMがクラシック風だったりロック調だったりしたのは監督の<洋の東西を問わず、時代性も突き抜ける>作品だという解釈なのか。
椎名林檎がエンディング曲を務めるているのも話題の一つ。

 そして、もう一つの“音”であるヴォイス・キャストであるが、メインは有名な俳優や落語家が演じる。お栄を担当した<杏>ら概ね許容範囲だと感じたが、若干違和感を覚えた人もなくはない…。(苦笑)

 <冨嶽三十六景>や<北斎漫画>など実際の絵をストーリーに取り込んで見せていたのは面白い演出だった。

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 ところで、10日は109シネマズのサービスデーということで、初めて二子玉川に新設されたシアターに!!
ただ、我が家からのアクセス経路が沢山あって困る。

 バス+バス、バス+電車、電車+電車…。それも多数の乗り換えポイントの違いとか、自宅を出るのが10分違うと別ルートが表示される始末。
料金で選ぶか、それとも慣れた経路を選ぶか…。バスだと混雑状況で時間が読めないし。
結局、少し余裕があったので料金の安いコースを選択。

IMAXで見たい作品があったら考えようかな?

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