mixiユーザー(id:2312860)

Javascript の設定が無効になっているため、一部の機能を利用できません。

詳細はヘルプをご覧ください。

2015年03月28日13:45

844 view

七重浜-北帰行(04)

午後４時過ぎ、図書館を出てホテルに荷物を置き、七重浜へ行くことにした。
残念ながら、事前準備の時間がなく、七重浜に関する情報を充分に集めることは出来なかったが、ともかく行ってみることにした。
ただ、出来ることならば七重浜から沈む夕日を見たいと思っていた。

行きは、時間の節約のためにタクシーを使った。行き先は、七重浜海津見（わたつみ）神社とした。

図書館で借りた『上磯町歴史散歩』（昭和６１年）によれば、この神社の近くに「七重浜古戦蹟慰霊碑」があるはずだった。本に掲載されている慰霊碑の写真を見ると、どこかの墓地の一角にあるようだ。
海津見神社の裏手に北斗市の七重浜共同墓地があったので入ってみたら、その慰霊碑があった。

【表面】
「七重浜
慰霊碑
古戦蹟」

【裏面】
「此の七重浜はコマシャインの乱の
時和人とアイヌとの一大決戦場
であり又明治維新に於いても幕
府の軍艦と官軍との決戦も
行はれた地でありその当時犠
牲の御霊等をすべてここに
祭りを致します。
昭和四十四年十月吉日
発起人　児玉そよ
外一同」

昭和４４年といえば、昭和２９年の洞爺丸沈没から２５年目の年だ。
この七重浜には、それ以前にも、民族間の、そして国を二分する戦いの舞台であったこともあった。
この「古戦蹟」に慰霊碑を建立した人々の思いは直接には分からないが、ただ、旅人に過ぎない僕にとっても感慨深いものがあった。

.:*:'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆。'・.:*:・.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・

広い道路を渡って、海岸線に出てみる。
汐が満ちているのか、海岸線の砂浜の幅が狭く、ところによっては波が護岸ブロックにまで打ち寄せられている。
それほど大きな波ではなかったが、波音は高く、砂の混じった潮は黒く冷たく見えた。

時刻は、１６時４０分頃。
日没が、１７時３０分頃。
１８時過ぎに、ＪＲ七重浜駅から函館方面に向かう汽車があった。
とりあえず、１７時まで、海岸線を西に歩いてみることにした。
どこかに、「颱風海難者慰靈之碑」（洞爺丸慰霊碑）があるはずであったが、その詳しい場所も分からず、行き当たりばったりの散歩だった。
１Ｋｍほど歩く間に、カップル、若い男女のグループ、犬の散歩をしている人などとすれ違ったが、冬の夕日を眺める人は少なかった。
カモメが飛んでいた。
行き会う人の数よりも、カモメの方が多かった。