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2015年01月24日23:56

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新譜之雑談帖(その179)―ルドルフ・ケンペの芸術(10CD)

ルドルフ・ケンペは、かなりの数の録音を残した指揮者ではないかと思います。晩年の録音の幾つかは、嘗て独逸の化学メーカーのバスフから発売されていましたが、バスフはケンペの死去を契機に、音楽事業から撤退して仕舞った(確か当時、バスフが音楽事業に参入したのは、一説によればケンペの録音を残すためと伝えられていましたが、真偽を確かめる術をわたくしは持ち合わせておりません)と記憶しています。その為、ケンペがバスフに残したブラームス交響曲全集、ブルックナーの第四・第五交響曲の録音が入手困難なアイテムとなって仕舞ったのでありました。

このバスフの録音の他、TUDORからチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団を指揮したベートーヴェンの第五交響曲、ドヴォルザークの第九交響曲『新世界より』、そしてブルックナーの第八交響曲が(日本では確か没後に)発売されました。只、この録音も色々な経緯があった様で、これまた入手困難なアイテムに。

CDの時代になって、あれこれの紆余曲折を経てこれらの録音が入手出来る様になったのは、もう21世紀に入ってからの事であったでしょうか。長年の渇を漸く癒す事が出来て、当時は狂喜乱舞したものですが(大袈裟)、早いものでもう15年余りも昔の事なのでありますね。嗚呼、光陰矢の如し。

自分は既に所蔵している音盤なので、その後どうであったかは良く知らないのでありますが、某親方之声サイトを見ると廃盤となっていた様でして。それがこの程、10枚組のセットとして、再発される事となったそうです。おお、目出度い。わたくしはこの演奏が好きでありまして、ブラームスやブルックナーの演奏は、それぞれの曲の代表的演奏の一つではないか、と考えている次第。これを聴くと、某ジンマンがチューリッヒ・トーンハレのオーケストラをすっかり(以下自粛)。

未だこれらの演奏を入手していない方が居られるとすれば、大袈裟に言えば万難を排してでも入手を図るべき音盤ではないか、と思います。
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