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2015年01月12日13:16

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ウェーブ-1/10の飛行記録(3)

昨日の日記の続き。1月10日のフライト。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937507134&owner_id=2312860

板倉滑空場に戻して980メートルまで落ちたところで、再びサーマル(熱上昇気流)で上がる。

■サーマルの原理
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http://www.takikawaskypark.jp/mt/cat6/

1400mまでサーマルで上がったところでウェーブ(山岳波)による上昇気流に入る。
ウェーブというのは、山岳地帯に強風が吹いたときに、山の風下側に上下する風の波が出来る現象だ。
フォト

http://wapichan.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/113-96c4.html

ウェーブの発生の可能性は、予報でも出ていた。
700ミリバール(ヘクトパスカル)、つまり高度3000m付近の風の上下方向の動きの予報では、日本海(下図の左上=北西)から長野の山々を越えた風が、東京湾(下図の右下=南東)に向けて「帯」を作っているようになっている。黄と赤が上昇風帯であり、緑と青が下降風帯である。

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板倉滑空場の風下側2Kmあたり。ウェーブの中は静穏だ。途中からは、操縦桿から手を離しても3m/秒でコンスタントに上昇するほどだった。後でGPSの位置情報をチェックすると、この時は80Km/時の対気速度では対地的には風下に後退してしていた(笑)ので、上空の風は20m/秒を超えていたようだ。
高度は7000フィート(2100m)、8000フィート(2400m)と順調に上がり、9000フィート(2700m)も軽く超えた。高度2100mをグライダーで超えるのは生まれて初めてだ。

■高度9500フィート(2850m)で「手放し」飛行中。
飛行速度80Km/時で、なおも2m/秒以上で上昇している。

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この調子だと、高度3000mを簡単に超えてしまうだろう。
しかし、ここで考えなければならないことがある。
酸素ボンベを積んでいない機体では、1万フィート(3千メートル)以上は上がれないことになっている。もちろん、3000mくらいの高度で酸欠で死んでしまうわけではないが、低酸素による判断力の低下などの危険性はある。そのため、そのようなルールがあるのだ。

ウェーブで高度を獲得するためには、風による流され速度と機体の速度を合わせ、対地的には「定点」で飛ぶ方法がある。飛行時間をかせぐためであれば、エア・ブレーキを開いて上昇を抑える方法もあるが、それではつまらない。できれば、この高度を利用して遠くへ飛んで行きたい。しかし、ウェーブが発生する日は、下降気流も強い。高度を維持しながら距離を伸ばすにはどうしたらよいか。

ウェーブが「帯」になっているのであれば、その帯に沿って飛んでみればよいのだ。そして、上昇気流のエネルギーを機体の速度に変換するのだ。というわけで、高度計が9990フィートを指したところで、操縦桿を右前に倒し、加速しながら北北東に針路をとる。

■高度9990フィート(2997m)!
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高度2800mを維持するように、上昇気流の強さに合わせて速度を上げていく、150Km/時を超えて、180Km/時まで増速できた。右手(風下側)の眼下に針路方向に並んだ雲が見える。ウェーブによるローター雲だろうか。
狙いは当たった。高度を維持しながら、前に進むことが出来た。板倉滑空場から15Kmのところにある栃木市が見えたかと思えば、そこも通り過ぎることが出来た。

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ここから先は、僕にとっては未知の領域だ。


(つづくかも)

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