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2014年11月27日01:59

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備忘録、第27回東京国際映画祭(10月31日)

備忘録、第27回東京国際映画祭(10月31日)

 これで最後、ようやく今年の東京国際映画祭の最終回。あせあせ

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『マイティ・エンジェル』(コンペティション)

 ロベルト・ヴィエンツキェヴィチ(舌噛みそう…)の酔いどれ演技が見どころ。
さすが最優秀男優賞を受賞しただけのことはある。指でOK

 アルコール依存症で物書き設定の映画は時折見かける。
古くはビリー・ワイルダーの『失われた週末』、近年だと『リービング・ラスベガス』あたりだろうか。
本作もその一つだが、やはりプレッシャーを受けてデスクワークとなると陥りやすい人間の弱さを物語るモノなのだろうか?

 ただ、依存症の恐ろしさはよく分かるが、正直長すぎる…というかくどい。
くどいくらいでちょうどいいのかもしれないが、しらふで見るにはちょっと…ね。あせあせ(飛び散る汗)
まあ、それだけ舞台となっているポーランド(というか世界のアルコール依存症患者)では深刻な問題ということなのか。

 いつも酔っぱらっていてはいかに才能に恵まれていても、チャンスを自分でつぶしてしまう恐れがある。主人公は確かに文才があるのだが、それを<酒を飲む口実>を思いつくために発揮してしまう。本当に才能のムダ使いなのだ。
…という、まるで公共広告のような教訓を受けた。(笑)

 主人公には共感持てずに嫌悪感ばかり増すのだが、それこそ狙いなんだろう。
人はいかにアルコールでダメになるのかを物語るラストの俯瞰ショットは感慨深いものがある。

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『アイス・フォレスト』(コンペティション)

 手の込んだ移民問題を扱うサスペンス。
国境を巡る物語はよくあるが、権利の綱引きなど面白味を感じさせる。

 イタリア北部で頻繁に停電をする村がある。
そこで発電所と殺人事件や移民の問題が雪山のアクションとともに語られる。
人によっては『ファーゴ』を思い浮かべる人もいるかも。
閉鎖的な村社会というのが作品全体を言い表しているようでもある。

 娯楽的要素と社会問題が並列的に映画かれて奥行きを感じるが、それほど入り組んだ人間関係でないにもかかわらず人物の区別が付きにくいのが難点。(私だけかな?)
それでも雪と氷に閉ざされた風景など見どころはある 。

 大監督エミール・クストリッツァを役者に抜擢したあたりに、これが長編2作目という若いクラウディオ・ノーチェ監督の度胸と抜け目なさを感じる。



 そして、いよいよ東京グランプリが発表になった。
『神様なんかくそくらえ』

 正直言うと、この作品の受賞は意外だった。冷や汗
チケットをとる段階で、なるべくハズレを引きたくないので、事前情報でふるいにかけた。
IMDbや直前の映画雑誌(キネマ旬報)などを参考にして…。
で、今年のコンペ作品でIMDbで評価されている中で、この映画がダントツで低かったので、真っ先にはずしたんです。(今はかろうじて6点台ですが、TIFFの前は5点台だった。中々ないのよコンペ作品クラスでは)
しかし、失礼な言い方だが思いのほかいいのかもしれない。(苦笑)
世間が盲目なだけかもしれない。実際に自分の目で確かめてみないと…。
と思い期待と不安が入りまじった状態で鑑賞。

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 役柄と名前こそ違え<自分自身>を演じるアリエル・ホームズの実体験だけあり描写がリアルである。
まるで先の読めない展開に目が離せない。
いかにもインディーズ映画で懐かしいエレクトロ系の音楽の押し出しがかなり強い。

 舞台となるNYが実に生々しいアングルで切り取られる。
劇映画というよりもドキュメンタリー。本人による再現ドラマと言った方がいいか?
ジャンキーで刹那的な生き方しかしないノーフューチャーの若者たちを奇をてらうことなく描いている。

 これが受賞した理由はそれとなくわかった。またIMDbでの評価の低さも…。
おそらくコンペに出品される作品はどれもがプロの目から見たら展開やテーマなどの<テクニック>が透けて見えてしまうのだろう。
だからこそ半分ドキュメンタリーのような本作は計算がされていないことで審査員を引きつけたのではないか。

 個人的には<素人の観客>なので、成長も反省も感じられない連中に共感できずにアウェー感バリバリだった。

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 ちなみにキネマ旬報ではオススメとして15本中、『マルセイユ・コレクション』、『1001グラム』、『メルボルン』、『壊れた心』、『破裂するドリアン河の記憶』、『紙の月』があげられていた。
この中で何らかの賞を取ったのは『紙の月』だけですよ、キネ旬さん。(笑)

 Webで読んだ記事から、なるほど…と共感したのがあった。
それは、世界の三大映画祭と比べるのは酷であっても、TIFFのグランプリ作品ってどれくらい箔がつくのかということ。
よほどの人じゃない限り知らないのではないか?
勿論、知られていない映画祭は数あるが、開催国である日本人でさえもろくに知らないのじゃないかということ。
歴代の受賞作をいくつか言えますか?見てますか?ふらふら

 新聞やテレビでも舞台あいさつに出てくるタレントこそ取り上げても、作品そのものを紹介したり採点したりしてないでしょ?
カンヌなんかだと地元の新聞に、いわゆる『星取表』が載ったりしますよね。

 朝日や読売にクロスレビューとか…実現には程遠いか。
このままでは東京グランプリじゃなく東京シランプリですよ、まったく。ほっとした顔

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